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イギリスの刑務所設計図流出で保安警報発令。イングランドとウェールズの刑務所でセキュリティ上の警戒態勢が敷かれています。監視カメラやセンサーの設置場所が記された詳細な設計図が流出したことが明らかになりました。

ニュース

主なポイント:

  • 過去2週間でダークウェブ上に刑務所の設計図が流出し、国家犯罪対策庁(NCA)が捜査を開始
  • 監視カメラやセンサーの位置情報が含まれており、武器や薬物の密輸、脱獄に悪用される懸念
  • 刑務所職員には「セキュリティ警報」と題された内部メールで情報漏洩が通知
  • 政府関係者の一部は、カメラは定期的に移動され、ドローンでも確認可能として影響を軽視
  • 職員向け通知では、セキュリティシステムの「脆弱性」につながるデータ損失があったと報告

背景:

  • チャーリー・テイラー刑務所監察官長は、ドローンによる銃器の搬入可能性を「最大の懸念」と指摘
  • イングランドとウェールズの刑務所システムは過密状態と劣悪な環境が問題化
  • 政府は収容場所不足に対応するため、刑期40%を終えた受刑者の早期釈放などの緊急措置を実施
  • 元判事らは、殺人犯や性犯罪者の早期釈放を含む「抜本的な解決策」の検討を提言
  • シャバナ・マームード法務相が量刑に関する緊急の独立調査を実施中

過去2週間の間に刑務所の設計図がダークウェブで共有されたことを示しており、これを受けて国家犯罪対策庁(NCA)が調査を開始した。

この設計図には監視カメラやセンサーの位置が詳細に記載されているとされ、これを利用して犯罪者が薬物や武器を刑務所に密輸したり、脱獄を手助けしたりする懸念が生じている。

流出は、刑務所職員に送られた内部メールによって判明した。このメールは「セキュリティ警報」という件名で送られ、情報漏洩の事実を伝える内容だった。

しかし、ホワイトホールのある情報筋は、この流出の重要性を軽視し、監視カメラは定期的に移動される上、ドローンによっても容易に視認可能だと述べた。また、刑務所の設計図は以前からインターネット上に存在し、Google Earthでも確認できると付け加えた。

警報の内容では、漏洩が内部フェンスのセキュリティに影響を及ぼす可能性があると職員に警告している。このフェンスには侵入の試みを検知して警報を発する技術が搭載されている。

職員向けのメモによると、データの漏洩によりこれらのセキュリティシステムに「脆弱性」が生じたという。このため、一般市民が刑務所の境界を危険にさらす情報を把握している可能性があると警告している。

メールでは、刑務所内に物品を運び込む試みや脱獄を助ける行為が行われる可能性についても言及された。

政府の広報担当者は、「セキュリティに関する問題についてはコメントしない」と述べた。

刑務所監察官の警告
金曜日には、刑務所監察官が、セキュリティが技術の進歩に追いついていないと警告した。ドローンが薬物関連のギャング戦争に揺れる刑務所に銃器を運び込む可能性があり、刑務所局の対応が「不十分」と指摘された。

チャーリー・テイラー刑務所監察官(HM Chief Inspector of Prisons)は、「ガーディアン」紙に対し、大型無人航空機の利用が急増しており、縄張り争いの解決や脱獄の試みに銃器が使われる可能性が高まっていることが「最大の懸念」だと述べた。

刑務所システムへの取り組み
イングランドとウェールズの刑務所システムの対応は政府の最優先事項となっている。前政権から受け継いだ過密収容と劣悪な環境という危機に直面しているためだ。

政府は、夏に刑務所の収容スペース不足に対応する緊急措置を承認。服役期間の40%を終えた囚人を早期釈放するなどの対策を講じた。

9月には、イングランドとウェールズの元高位判事5人が、殺人犯や強姦犯を仮釈放するような「抜本的な解決策」を検討すべきだと提言した。これには、10年以上の有期刑を受けた囚人の刑期半ばでの再審査や、規定の刑期を超えて服役しているすべての囚人の釈放、高齢者や末期患者、認知症の囚人の刑務所からの解放が含まれる。

シャバナ・マフムード司法大臣は、判決の法律と運用を緊急に独立調査するよう命じている。

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