2024年9月26日 英国最新ニュース
インドのコングロマリット、タタ自動車傘下のJLR(ジャガー・ランドローバー)は、多くのライバル企業よりも電気自動車の導入が遅れており、販売されているのは老朽化したジャガーI-Paceの1モデルのみである。
投資内容
英国最大の自動車関連企業であるJLRは、ヘイウッド工場の新しい自動車生産ライン、機械、人材、デジタル技術にすでに2億5,000万ポンドを費やしており、今後数年間でさらに2億5,000万ポンドを投資する計画だと述べた。
この投資により、ヘイウッドは最終的に中型SUVのディスカバリー・スポーツとレンジローバー・イヴォークの電気自動車版と、従来の内燃エンジン版、ハイブリッド車を生産できるようになる。
JLR(ジャガー・ランドローバー)とは
フォードは1963年にハリー・ポッターの本や映画で描かれた空飛ぶ車として登場したフォード・アングリアを製造するために、ヘイウッド工場を建設した。2000年にエスコートが生産中止になるまで、さまざまなフォード・モデルを生産したが、当時フォード傘下だった英国車ブランドのジャガーとランドローバーを生産するようにし、フォードはJLR(ジャガー・ランドローバー)売却した。
2002年、フォード・モーターにより、ジャガーとランドローバーが同じグループ内に統合された。フォードは1989年にジャガーを、2000年にBMWからランドローバーを買収していた。
2006年、フォードはローバーのブランド名とロゴをBMWより購入した。これにより、2000年にローバー・グループがBMWによって解体されて以来、ローバーとランドローバーのブランドが再統合された。
2008年、ジャガーとランドローバーはフォードからタタ・グループ傘下のタタ・モーターズに約23億ドルで売却され、持株会社としてジャガーランドローバーが設立された。
タタ自動車の思惑
タタ自動車は今後180億ポンド(3.6兆円)を投資して、ガソリン車と並行してバッテリー仕様のラインナップを生産を計画している。
タタはまた、JLRに供給するためのサマセット州にある新しいバッテリー工場と、南ウェールズのポート・タルボットにある製鉄所の電気技術への切り替えにも多額の資金を投じている。
ロボットや車体の塗料を乾燥させる新しい焼付塗装設備等、ヘイウッドの設備投資は、バッテリー車と内燃エンジン車の「並行生産」を可能にし、需要の変化に対応できるようにする。JLRの産業オペレーション担当エグゼクティブ・ディレクターであるバーバラ・バーグマイヤーは、ヘイウッドは「当社初のオール電化EV生産施設になる」と述べた。それはソーラーパネルやエネルギー効率化対策などの投資により、工場から毎年4万トン相当のCO2が排出されるのを回避できるとしている。
市場予想は、いくつかの重要な市場で電気自動車に対する需要の伸びが頭打ちになっているが、JLRは数年にわたるコスト削減と赤字の後、相次いで好調な利益を報告している。高価なレンジローバーの販売好調を背景に、4-6月期の売上高は73億ポンドと過去最高を記録した。
しかし、同社は今年、ゼロ・エミッション車義務化として知られる、電気自動車の販売増加をメーカーに強いる英国の規則と戦わなければならないのである。
JLRは以前、2024年の電気自動車販売目標未達成による罰金を回避するため、後年にはバッテリーカーの生産を増やす計画だと述べていたが、電気自動車需要が急成長に戻らなければ、この野望は問題となる可能性がある。
英国でははるか以前に自国資本の自動車会社はなくなり、産業革命以来世界のリーダーであった自動車産業の衰退が激しい。しかし、英国車にはブランド価値があり大衆車は全てなくなってしまったが、高級車ではその存在が自社のブランド価値を上げるとして新興メーカーにとっては予算オーバーでもほしいと考えているはずです。
しかし、世界の流れは懐疑的とはいえBEV(バッテリー・エレクトリック・ビークル)に傾いており合わせて保険のためPHV(プラグイン・ハイブリッド)の開発・生産をしなければいけない。
インドの大衆車はまだまだその流れではなくガソリンエンジン主体で開発・生産しているタタは将来を見越して高級車での投資に舵を切ったのかと予想します。
日本では
日本でもBEVの普及は少ないが、未来への自動車産業の行方が混とんとしている中では、BEV、PHV、HV、ガソリン、ディーゼルと全て手を出していかないといけない。その中で、日本メーカー各社は提携と買収によって、維持していかないといけないと考えています。
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