カップルで参加した二人は、激しい感情を呼び起こす映画を見た後より絆を深めた。
古典的なコメディで笑ったり、指の隙間からホラー映画を見たり、映画は無数の感情を生み出す。研究者によれば、他人と一緒に激しい感情を経験することで、人はより絆を感じることができるそうだ。
感動的な出来事を一緒に体験することで、人と人との絆が深まることは以前から知られており、以前の研究では、感動的な映画を他の人と一緒に見ることで、より絆を感じられるという結果が出ている。
しかし、絆が深まるためには、激しい感情を経験する必要があるのか、似たような感情を経験する必要があるのか、あるいはその両方が必要なのかは不明だった。またこの効果は、楽しい映画と悲しい映画の両方を見たときに見られるのか、あるいはお互いが見えているときにのみ見られるのかも不明だった。
研究結果では、この問題を解明するために初めて会った同性のペアでビデオを一緒に見てもらう治験を行った。
ペアはそれぞれ、フェイスマスクとヘッドセットを装着した状態で、ランダムに3本の5分間のビデオを見せられた。これらのビデオは、肯定的なもの(コメディ)否定的なもの(飼育動物の苦しみを映した映画)、中立的なもの(大学の図書館の映像)のいずれかであった。半数のペアはカーテンを開けたまま、残りの半数はカーテンを閉めたまま映画を見た。
研究チームは、それぞれの参加者について、心電図、呼吸活動、皮膚コンダクタンスも記録し、感情の強さがどのように変化したかを示す身体的指標を追跡した。
実験開始時、研究チームは各参加者にペアのもう一人にもう一度会いたいかどうか、そしてそのペアに共感するかどうかを尋ねた。
各ビデオを見た後、参加者は自分の感情とつながりの感情を報告し、3つのビデオすべてを見た後、もう一人の参加者に対する感情をもう一度尋ねた。
39組のペアの結果から、参加者自身の報告と、心拍数、呼吸数、皮膚コンダクタンスの測定から、感情的な映画の方が中立的な映画よりも強い反応を引き起こしたことが明らかになった。さらに、映画を見ている間、お互いを見ることができたペアは、その感情がより強かったと評価した。
これは皮膚コンダクタンス測定によって記録されたもので、最も解釈しやすい感情的興奮の生理学的尺度である。しかし、このような現象が見られたのは、カーテンを開けて映画を見た場合だけであった。
研究者らによれば、ペアがお互いに見えるか見えないかは、映画に対するポジティブな感情やネガティブな感情には影響しなかったという。
「たとえ相手が見知らぬ人であっても、言葉によるコミュニケーションがなくても、一緒に感動的な映画を見ることは、社会的な絆を深めることにつながることがわかりました」と語った。
この研究は激しい感情から社会的結合が生じることを証明するものではなく、同様の感情を持つことが他の文脈で社会的結合を高める可能性を否定するものではないと指摘した。
「われわれの発見は、たとえ見知らぬ人との短い交流の間であっても、他者とともに激しい感情を経験することが、社会的関係の発生や社会集団の形成に一役買っていることを示唆しています」と彼は語った。
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