ブリストルの住宅街での駐車場問題。緑の党は、歩道が無い路地での路上駐車禁止をめぐり、反対派住民との戦いに備える。

ブリストル東部の狭い道路の真ん中でベビーカーを押す母親のスメイル・モハマッド。彼の2人の息子は、いつどちらから車が来るかもしれないので、そばについている。「歩道には車が止まっています。イーストンにある息子たちの小学校へ急ぐモハマッドは言う。「車が時々、ここを通り抜けていくから危険なんだ」。

ビクトリア調の狭い路地が、乗用車や牽引用キャンピングカー、増え続けるSUV等の大型車を収容するのに苦労している。

ブリストル市議会がこのままでは、歩道に駐車する時代は終わってしまうかもしれない。緑の党は野党時代、歩道の無い道路での路上駐車を禁止するよう求めたが、現在では議会を率いる彼らは、歩道駐車を実現するためのタスクフォースを立ち上げた。

英国及びヨーロッパの古い都市では集合住宅またはタンハウスのように玄関が道路に面しているビルが多く、自宅に駐車場を確保できない住民用に「Resident parking permit」といった、指定区域路上駐車スペースの年間チケットがあります。よって多くの都市では住民は年間使用料を払って路上駐車するのが一般的です。この記事ではそれに対する行政の対応になります。

このグループを率いるロブ・ブライハー議員は、「信じられないほど物議をかもす」と認めるが、ブリストルでの移動の半分を占める自動車を使わず、徒歩や自転車、あるいは公共交通機関を利用させる唯一の方法だと主張する。この計画には、黄色の二重線を大幅に増やし、ブリストルの1,500の通りにある路上駐車場を、毎年少なくとも1箇所、自転車格納庫、プランター、ベンチに置き換えるという目標も含まれている。ブライヤーは、「徐々に、しかし一貫して、都市空間の異なる見方を取り入れる方法だ」と述べた。

議会は、ドライバーが年間許可証を支払うことで、取り締まりや新しいバス路線のための資金を生み出す、新しい住民駐車場計画を模索している。また、公共交通の改善資金を捻出するため、企業に職場駐車場税を課すことも検討されている。ノッティンガムでは2012年に同様のスキームが導入され、年間約900万ポンドが徴収されている。

ブライヤーは、狭い道路の歩道に駐車しなければならないと主張するドライバーにはほとんど同情しない。「代わりに別の場所に駐車する必要があります。街には誰もが駐車できる十分な（スペースが）あります」と彼は言う。「ただ、遠くに駐車しなければならないかもしれないし、車が必要かどうか考えなければならないかもしれない。

ブリストルの公共交通機関については、以前から不満があった。ブリストルの道路は英国で最も混雑しているが、バスの利用率は他の大都市圏を下回っている。

もしブリストルが実行に移されれば、ロンドン以外では英国で初めて、市全体で効果的な禁止令を導入する都市となる。ロンドンの市議会は1970年代から罰金を科すことができるが、英国の他の都市では、歩道走行や危険な駐車で捕まった運転手に対して行動できるのは警察だけである。

イーストンでは、モハマッドは議会が動くことを強く望んでいる。彼の家族は、イーストン市の4分の1強の世帯と同様、車を所有していない。しかし、彼はドライバーからの反発があるのではないかと疑っている。「住民は自宅に駐車場を造らず、路上駐車したいのです。彼らは議会と戦うでしょう」。

他の親たちも、より厳しいアプローチを支持している。デニサ・ネシロバ（32歳）は、2人の息子を学校まで送ったところだ。「歩道駐車は大きな問題です。私のようにベビーカーを押している母親は通れないこともあります。「道路を通らなければなりません。とても危険です」。

ブリストルの障害者団体は、歩道駐車が障害者の自由を制限していると主張している。「私が恐れているのは、いつか歩道に駐車した車が原因で障害者が殺されることです」と、ブリストル障害者平等フォーラムの暫定ディレクター、アルン・デイヴィスは言う。「生命や身体に対するリスクは、誰かが歩道に駐車して店などに入る2分間よりも優先されるに違いない」。

近くの道路で歩道に駐車している人々は、ほとんど選択肢がないと感じている。ロブ・プールさん（36歳）は、歩道に乗り上げているVWキャンピングカーを修理している。「車が道路に駐車されていると、不便で狭くなります」と彼は言う。彼は、アクセシビリティに関する懸念は理解しているが、「公共交通機関が貧弱なため、他の方法では行けないような場所に行くことができる」ので、車を手放したくないのだ。

ジェームス・シュトックハウゼン（34歳）は、家の前の縁石に停めた車に家族を乗せるのを手伝った後、立ち止まった。「道路の幅が狭いんです。私たちが完全に道路に面していて、（反対側の車が）完全に道路に面していたら、車は通れないでしょう」と彼は言う。「イーストンには他に駐車する場所がありません。イーストンには他に駐車する場所がありません。それは答えではありません」

日本と違ってヨーロッパ各国は「Resident parking permit」で路上駐車するのが一般的で、田舎でも路上駐車が多いです。これによって電気自動車は自宅で駐車できないので、普及するわけがありません。このような問題を先送りにしてガソリン自動車ゼロを打ち出すなんて、政治家は保身のために目先の流行を追いかけているだけです。充電装置付きの駐車場の設置を促せば、必然的に路上駐車は減るはずです。