以前はロンドンで公共交通機関を利用するには、オイスターカードが日本のsuicaと同じ使い方で便利でした(もちろん現在も利用可能)。しかし、チャージする必要があり、常にカード残高を把握しながら地下鉄&バスの乗車をする必要がありましたね。
2014年よりpayWave/PayPassに対応したICクレジットカードや、NFC搭載スマートフォン(以下、NFCスマホ)に設定したpayWaveなどを改札口でかざして料金を支払うコンタクトレス決済が開始となりました。
コンタクトレス決済とは
payWave/PayPassに対応したICクレジットカード決済を海外ではコンタクトレス決済と表現します。
payWave/PayPassは、クレジットカードと紐づけた「iD」や「QUICPay」と同じでポストペイ方式の電子マネーです。よって残高を気にする必要はありません。suicaやEdyみたいにプリペイド式は旅行先では使いにくいですよね。
サインや暗証番号の入力は基本的に必要ないので、便利に買い物ができますが、コンタクトレスで買い物できる金額の上限があり、1回の決済では£30が上限となっています。しかし、基本クレジットカードですから£30を超える決済の場合カードリーダーにクレジットカードをインサートし、PINコードを打ち込むだけですから使えない不便は無いです。
メリットは便利なだけではなく、店員さんにカードを渡す必要がないので、安全性が高い支払い方法と言えるのではないでしょうか。
今回の旅行の際事前にコンタクトレス決済について調べていたのですが、利用開始当初は、日本から持ち込んだICカードやNFCスマホでは、使えたり使えなかったり(通れたり通れなかったり)と、結果がまちまちだったのです。
ロンドン交通局によれば「イギリス国内で発行されたカードは問題ないが、国外で発行されたカードの受け入れには問題がある」というやや曖昧な情報もありました。
しかし、最近はそういった不具合も改善され、使えなかったと言う報告は見かけ無くなりました。筆者もコンタクトレス決済クレジットカードに更新したのは2019年に入ってからでして、日本での利用は1回もありませんでした。(日本では利用できる店舗がほとんどない)
ロンドン ヒースロー空港に降り立って、初めての利用が地下鉄改札でしたが、何の問題もなくコンタクトレス決済で、改札を通過できました。
日本から持ち込んだiPhoneは注意が必要
日本でもおサイフケータイが広く利用されており、iPhoneを利用した”Apple Pay”で公共交通機関の乗車や買い物等に利用ができますが、FeliCaに対応iPhoneの海外での利用はひとつ注意が必要な事があります。
Android Payも同様だが、日本版Apple Payは、iPhone 7シリーズでFeliCaに対応したおかげでNFC Type-A/Bサービスとの互換性が失われてしまっいます。日本のiPhone 7シリーズにクレジットカードを登録しても、FeliCa側でしか利用できないため、海外のNFC Type-A/Bサービスを使えない仕様になっています。米国などの銀行が発行したクレジットカードやデビットカードを持っていれば、それをNFC Type-A/Bサービス用に登録できるのですがあまり現実的ではないですね。
日本で購入したAndroidスマートフォンでiD/NFCやMasterCardコンタクトレスなどのNFC Type-A/B対応サービスを使うのが最も簡単ですが、NTTドコモやMVNOのスマートフォンでiDを設定している人であれば、iD/NFCを海外利用設定すれば、そのまま海外に持ち出してスマートフォンで決済ができるそうです。いずれにせよ、日本で購入したスマートフォンを利用して、コンタクトレス決済を利用する場合、事前に調べておく必要がありそうです。
もちろん、Felicaが搭載していなくてNFC Type-A/Bに対応したスマートフォンであれば問題なく利用できると考えます。
ロンドン地下鉄・バスでの利用
ロンドン地下鉄及びバスは、コンタクトレス(オイスターカードでの利用も同じ)は、乗車運賃の1日上限額が設定してあるので、上限額に達するとそれ以上の引き落としはされません。よって一日乗車券と同じ扱いに自動的になります。
地下鉄の場合
改札の通過はコンタクトレス(オイスターカード)を1秒程度かざすだけで扉が開きます。通常カードリーダは黄色ランプが点灯しています。カードをかざすと緑ランプが点灯し扉が解放となります。経験上、読み取りが不正の場合赤ランプが点灯するので、一旦カードを外して、再度カードをかざすと緑ランプに変わります。
コンタクトレス(オイスターカード)でゾーン1~2に4回乗車するとします。
ゾーン1~2の1日上限設定は、7ポンド(ピーク、オフピーク共通)1回目に2.4ポンド、2回目に2.4ポンド、3回目に2.2ポンドがオイスターカードのチャージから引かれますが、それ以降のゾーン1~2移動で引き落としされることはありません。もしその後ゾーン1~3へ移動すれば、ゾーン1~3上限の8.20ポンドまでの(8.20-7.00)1.20ポンド引き落としされます。
バスの場合
ロンドン交通局のバスは、現金で乗車することができません。コンタクトレス(オイスターカード)またはトラベルガイドで販売している一日乗車券でしか乗車できません。
バス停に到着したら、スマホアプリcitymapper(シティマッパー)やネットで乗車するバス番号を調べておきます。
①乗車前
バスが到着したら、手をあげて乗ることを意思表示する。乗車する前にバスに書かれているルート番号と行き先を確認。合っているか確かめてから乗車しよう。
②前のドアから乗車
ほとんどのバスが前から乗車し、後ろのドアから降りるようになっている。ただし後ろがデッキ型になったバス(ルートマスター)は、開けっ放しにしている後部のドアからも乗車可能である。
③コンタクトレス(オイスターカード)をカードリーダーにタッチ
前ドアからバスに乗車したら、運転手横のカードリーダーにカードをタッチする。運転手がにっこりしたら席に移動しましょう。読み取りが不十分な場合運転手から声がかかるでしょう。(今回のロンドン旅行では一回もありませんでした)
④バス停が近くなったら赤いボタンを押し、降車の意思を運転手に伝える。バス運転は1回£1.5なので、降車時にカードリーダへタッチは必要ありません。(東京都内のバスと同じ要領ですね)
コンタクトレス(オイスターカード)利用の場合、1日の上限4.5ポンドが自動的に適用され、4回目の乗車からオイスターカードから引き落としはありません。ですので、ロンドン市内の利用はバスが大変お得です。
また、バスのタッチから1時間以内であれば、バスからバスの乗り換えをしても運賃はかかりませんが、バスからバスの間に地下鉄などを利用すると、バスの乗り換えとはなりません。
ロンドン市内は公共交通機関が大変便利
ロンドン市内は大変渋滞します。時間帯によっては全く動かなくなります。よって、公共交通機関を利用することを強くお勧めします。地下鉄は縦横無尽に開通している為、駅から徒歩10分以内でほとんどの観光地に訪れることが可能ですし、バスは全ての地域をカバーしています。道路は渋滞していても、バス専用道路のおかげでバスは意外と早く移動できたりします。(バスも全く動けない時間帯もありますが)
なにより、コンタクトレス(オイスターカード)利用の場合、1日の上限金額が自動で適用され、お得に早く移動できます。
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