世界中で起こる異常気象が、今週もまた英国にやってきました。自然の力に人間はもう太刀打ちできない状態となっています。
爆弾低気圧が英国中を襲い、土曜日には最大時速70マイル(約112km)の強風に見舞われ、多くの地域で被害が広がりました。これにより、数千世帯が停電しています。
気象予報士によれば、週末にかけて気温が上昇し、雪解けと豪雨が重なることで、国内全域で深刻な洪水が発生する恐れがあります。
また、イギリスの電力網運営会社を代表するエネルギーネットワーク協会(Energy Networks Association)のロス・イーストン氏は、悪天候の影響がまだピークに達していないと警告しました。
「予報士たちはこれを『複合的な災害』と表現しており、最悪の状況はこれから訪れると言っています。そこで、私たちのメンバーは追加の技術者やコールセンターのスタッフを配置し、指令室で爆弾低気圧の動向を注意深く監視しています」と述べました。
沿岸部では「危険な状況」が予想される
イギリス気象庁(Met Office)は、強風が「危険な沿岸状況」を引き起こす可能性があると警告しています。また、イングランド南部やウェールズの一部では日曜日午後9時まで暴風による「外出注意警報」が発令されています。今回の爆弾低気圧で記録された最大の突風は、北ウェールズのカペル・クリグで82マイル(約132km)でした。
爆弾低気圧による死亡事故も発生
ハンプシャー警察によると、土曜日の朝、A34号線で車の上に倒木が落下し、60代の男性が死亡しました。この事故が天候と関係しているかどうか調査が行われています。
また、西ヨークシャーのシプリーでは、ブリッドフォード出身の34歳の男性が車両が壁に衝突する事故で死亡しました。道路は当時、凍結していなかったとされていますが、原因について調査が進められています。
土砂崩れで10人が救助される
北ウェールズのランアーモン・ダフリン・ケリオグでは土砂崩れが発生し、家に取り残されていた大人5人と子ども5人が救助されました。北ウェールズ消防救助隊の広報担当者は、全員が現場近くの避難場所救急隊による診察を受けていると発表しました。
同地域でさらに土砂崩れが報告されていますが、影響を受けた人はいない模様です。
英国全域で天候警報と交通混乱
土曜日の朝、爆弾低気圧が上陸し、イギリス全域で気象警報と16件の洪水警報が発令されました。スコットランド、ヨークシャー、イングランド北東部では大雪のため「通行規制警報」が出されており、イギリスの他の多くの地域では風、雨、雪について「外出注意警報」が出ています。これは日曜日まで続く予定です。
スコットランドでは、必要不可欠な場合を除き移動を控えるよう求められています。アバンティ・ウエスト・コーストはエディンバラとカーライル間の列車運行を中止し、直行便は日曜日午後まで再開されない予定です。
グロスターシャーでは、強風のためM48セバーン橋が閉鎖され、ダラム州ではA66号線の一部が積雪のため双方向で通行止めとなっています。また、北ラナークシャー州のキャッスルケリー付近のM80号線では交通が停滞しているとの報告もあります。
空港や鉄道も混乱
ニューカッスル空港では大雪の影響で一部の便がベルファストやエディンバラに迂回されました。
鉄道では、北ウェールズのコンウィ渓谷線(ランドゥドノ~ブレナウ・フェスティニオグ間)やハート・オブ・ウェールズ線(スウォンジ~シュロップシャー間)が日曜日まで閉鎖される予定です。アイリッシュ・フェリーのペンブルックドック~ロスレア間、ステナラインのフィッシュガード~ロスレア間のフェリー運航も中止されました。
サッカーの試合にも影響
爆弾低気圧は国内サッカーの試合にも影響を及ぼしました。ブラックバーン対ポーツマスのチャンピオンシップ試合や、ブラッドフォード対アクリントン、フリートウッド対MKドンズ、サルフォード対ブロムリーのリーグ2の試合が中止されました。
スコットランドでは、スコティッシュ・チャンピオンシップのエアー対ダンファームリン戦と、リーグ1のモントローズ対アナン戦のみが予定通り行われました。
さらなる豪雨が予想
気象庁は、南西部とイングランド南部で土曜夜から日曜にかけて大雨が予想されていると発表しました。オックスフォードからトゥルーロにかけての地域では、日曜午後11時45分まで「外出注意警報」が発令されており、70mmの降雨が予想されています。ダートムーアの一部では、100~150mmに達する可能性があるとのことです。
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