英国政府エネルギー危機委員会は、英国は「危険なほど準備不足」であり、天然ガスからの転換を急ぐべきだと警告している。
イギリスは、光熱費の天然ガスへの依存度が高すぎるため、生活費危機を引き起こしている。このまま依存するのであればエネルギー料金の高騰を繰り返す危険性があると、業界団体の専門家アナリストが指摘した。
エネルギー危機委員会は、英国は発電所や家庭の暖房を天然ガスに頼り続けているため、この冬に再度の危機が来ることを準備する必要があると警告している。
企業グループのエネルギーUKとCBI、そして消費者グループのシチズンズ・アドバイスとナショナル・エネルギー・アクションの代表者で構成されるこの新しく設立された委員会は、その最初の報告書を使って、英国経済が記録的な天然ガス価格の高騰に揺さぶられて以来、住宅の断熱化やヒートポンプの設置拡大があまりに進展していないと警告した。
エネルギー危機は2021年後半に始まり、天然ガス価格の高騰によって家庭用供給業者が29社倒産した。2022年初頭にはロシアがウクライナに全面侵攻したため光熱費の請求額が高騰し、英国政府は光熱費への補助に踏み切らざるを得なくなった。
燃料貧困チャリティー団体「ナショナル・エネルギー・アクション」のアダム・スコラー代表は、「将来的な危機のリスクは現実的」であり、「価格ショックに耐えられない人々が最も打撃を受ける」と述べた。
報告書は、今回の危機がイギリスの家庭に「壊滅的」な影響を与えたことを明らかにした。英国は暖房の天然ガス依存度が第2位、電気のガス依存度が第5位であるため、一般家庭の光熱費は他の多くのヨーロッパ諸国よりも大きな打撃を受けたという。
報告書はまた、国家統計局によれば780億ポンド以上の財政負担を強いながら、約750万世帯を燃料貧困に陥らせ、エネルギー会社に35億ポンドの負債を負わせた政府の「的を絞った」支援策を非難した。
シチズンズ・アドバイスのエグゼクティブ・ディレクター、ジリアン・クーパーは言う。「準備不足と機会損失がエネルギー市場の危機を助長しました。グリーンアップグレードへの取り組みの遅れ、サプライヤーの失敗、強制的に前払いとなるサブスク契約とした悪しき慣行、対象を絞った請求書サポートへの不作為により、何百万もの世帯がなすすべもなくエネルギー危機に巻き込まれることとなっている現状を無策のまま放置している。」
エネルギーUKの委員長であり、委員会の委員長でもあるデイビッド・ロウズ氏は、次のように述べた： 「英国は過去50年間、定期的なエネルギー価格ショックを経験し、経済成長を損ない、家計と企業の両方に打撃を与えてきた。将来の石油・ガスショックは避けられないと思われるが、英国はそれを吸収する準備が不十分なままだ。
委員会は政府に対し、将来のエネルギー価格ショックから家計と経済を守るため、英国を天然ガス依存から脱却させることを優先するよう求めた。また、英国の風通しの悪い住宅を改善するため、民間賃貸市場における断熱材や厳しい効率基準などのエネルギー効率対策を普及させるよう求めた。
また、ヒートポンプやその他の低炭素代替エネルギーを普及させることで、家庭をガス暖房から脱却させる計画を政府に求めた。
同委員会は政府に対し、英国の天然ガス火力発電所への依存を削減し、低炭素電力源に切り替える努力を続けること、またエネルギー多消費型企業がクリーンな代替エネルギーに切り替えるのを支援することを求めた。
CBIのチーフエコノミストであるルイーズ・ヘレムは、次のように述べた。「エネルギー危機は経済に衝撃を与え、英国のほとんどすべてのビジネスに影響を与えた。」
エド・ミリバンド国務長官（エネルギー安全保障・ネットゼロ担当）は、次のように述べた。「この報告書は、業界の専門家が、英国をクリーンエネルギー大国にすることを支持していることを示している。保守党の大失敗の後、我々は断固とした行動をとった。私たちは、9年間続いた陸上風力発電の禁止を72時間以内に覆し、史上最も成功した再生可能エネルギーのオークションを監督し、グレート・ブリティッシュ・エナジーを設立し、新しいエネルギー効率基準で100万人の賃借人を燃料貧困から脱却させるために行動を起こした。」
最近の英国は家庭用エアコンもかなり普及していて夏も電気を使うことが多くなりました、やはり冬の光熱費を安くすることに重点を置いてる考えが多いと考えます。英国は一般的に住宅はお湯を使用したセントラルヒーティング装置を暖房としていて、ほぼ24時間稼働させているますよね。深夜電力を使用したヒーター式温水器が家庭の光熱費を圧迫しているかと思います。電気以外のエネルギーはもっと割高になるので代替エネルギーは難しく、電力会社から供給される電気を受け入れるしかないのでこの先も同じ問題が続くと考えます。
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