不動産業界団体によると、今月までのところ、住宅販売件数は前年同月比で30%以上増加している。伝統的な秋時期はの価格が高騰しやすいが、今年はそうなっておらず、売り出し物件数は10年ぶりの高水準となっている。
10月末に決算が迫っているため市場には不透明感もあるが、売買契約件数は29%増、不動産業者への問い合わせ件数は17%増となっている。
不動産業界団体の不動産科学ディレクター、ティム・バニスター氏は、「販売活動は、昨年の低水準から立ち直っただけでなく、上昇基調を続けている。次の引っ越しを計画し続けている人々の買い手需要も健全な水準にある。」
業界団体の最新の住宅価格指数によると、売りに出されている住宅の数は1年前より12%増加しており、不動産業者1社あたりの販売数は2014年以来最も高い水準にある。このため、買い手の選択肢と交渉力が増え、市場に出回る物件の平均価格は前月比わずか0.3%上昇の37万1,958ポンドと、10月の長期平均の1.3%上昇を大きく下回っている。
ロンドンの不動産エージェントのある取締役は、「私たちの18年の歴史の中で、最高の取引件数を記録した年のひとつです。取引は例外的に活発だが、価格の伸びは鈍い。これは、金利上昇という新常態のせいかもしれないが、パンデミック後に特に価格が急騰したせいでもある。」
団体は2025年の市場見通しは依然として明るいものの、購入者の値ごろ感にはまだ懸念があり、住宅ローン金利が下がるまで購入を控える買い手もいるという。
5年固定の平均住宅ローン金利は4.61%で、先週の4.55%から上昇し、5月以来の週間上昇となった。
イングランド銀行の金融政策委員会は8月、基準金利の0.25%引き下げを決定したが、アナリストは来月開催される金融政策委員会でも引き下げが行われると予想している。
不動産団体は、10月30日に労働党が発表する予算が住宅市場にどのような影響を与えるかはっきりするまで、買い控えをする買い手もいるかもしれないと述べた。
一部の不動産業者は、予算が明確になり、今年後半の住宅ローン金利が安くなることを待っている。地平線上に予算の形をした雲があるにもかかわらず、2025年に向けて市場の全体像はまだ明るいようだ。市場の活況は依然堅調だが、値ごろ感は依然として多くの引っ越し業者が直面する最大の障壁である。
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