労働市場はかなり良い状態だが、増税が雇用主に与える影響に注目が集まる。
過去数年間、英国の失業率にはざっとした関心しか払われてこなかった。というのも、失業率は低く、求職に対して人材を求める経営者が多かったからである。しかし、経済の減速と先月の予算案で財務大臣が提案した内容で、その状況は変わろうとしている。
今後数ヶ月間、労働市場の状況に関するあらゆる発表は、先月財務省が提案した2つの発表が雇用にどのような影響を及ぼしているか精査されるだろう。
最低賃金を6.7％に引き上げて、雇用者国民保険料を引き上げるという財務大臣の決定は、必然的に何らかの影響を及ぼすだろう。その影響がどの程度になるかを見極めるには数ヶ月かかると考えている。
財務大臣にとって良いニュースは、労働市場がかなり良い状態にあるときに雇用コストを押し上げたことだ。9月までの3ヶ月間の失業率は4.3％で、8月までの3ヶ月間の4％から上昇した。しかし、国家統計局が労働力調査のデータに問題を抱えているため、この上昇は慎重に扱われるべきである。英国の失業率は歴史的に見てもまだ低い。
財務大臣にとってあまり良いニュースではないのは、労働市場が冷え込む兆候が見られることだ。雇用の伸びを計算する代替指標であるHMRCの給与支払者数は、10月に5,000人減少し、過去7ヶ月のうち5ヶ月で減少している。
一方、求人数は10月までの3ヵ月間で3万5,000人減少し、83万1,000人とコロナウィルスパンデミック前の水準をわずかに上回っているに過ぎない。表面的には、平均所得の伸び率は8月までの3ヵ月間の3.9％から9月までの3ヵ月間の4.3％へと上昇し、より強いイメージを描いているが、年間比較は2023年夏に公務員に支払われた一時金によって歪められている。
ドイツ銀行のチーフ・UKエコノミストは、ONSの数字は労働市場の着実な緩和を指摘していると述べた。
今のところ、首相が心配するほどのことはない。しかしこう指摘する。「労働市場には亀裂が生じつつある。」
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