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燃油サーチャージ大幅値下げによる、4月1日以降発券の航空券価格について調べてみました。

燃料サーチャージ

さて、昨年10月より世界経済状態の影響で原油価格が大幅に下がり、2018年末に1バレル40ドルを切る勢いで下がりましたが、最近は再び持ち直し、3月末時点で1バレル60ドル近辺で推移しております。原油価格の値下がりに伴い、航空券の追加運賃である燃油サーチャージも値下がりし、4月1日からの発券は大幅に値下げいたしました。

しかし、燃油サーチャージの値下げによる航空券合計価格は本当に値下がりしているのか、疑問に思っている方は多いと思います。今回は燃油サーチャージの値下げ金額に対して、航空券の合計金額はどの程度値下がりしているのか検証してみました。

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燃油サーチャージとは

原油価格の変動による航空機燃料代が、航空会社の企業努力で吸収しきれない事を理由に燃料代の一部を、乗客が負担する追加運賃のことです。1997年に IATA(国際航空運送協会)が、燃油サーチャージ制度を決議してから、燃油代の一部を乗客が負担するようになっています。燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が1バレル6,000円を下回った場合、徴収されないことになっています。主要航空会社では、概ね金額改定が年6回、2ヵ月ごとに改定されている状況です。

算出期間と発券期間は以下の通りとなります。

発券日 適用額発表時期 平均値算出対象期間
4月~5月 2月中旬~下旬頃 12月~1月の2ヶ月平均値
6月~7月 4月中旬~下旬頃 2月~3月の2ヶ月平均値
8月~9月 6月中旬~下旬頃 4月~5月の2ヶ月平均値
10月~11月 8月中旬~下旬頃 6月~7月の2ヶ月平均値
12月~1月 10月中旬~下旬頃 8月~9月の2ヶ月平均値
2月~3月 12月中旬~下旬頃 10月~11月の2ヶ月平均値

燃油サーチャージの金額はシンガポールケロシン市場価格をもとに算出されます。同じ行き先でも航空会社や発着日によって金額が異なります。また、燃油サーチャージを徴収しない航空会社もあります。

気になるシンガポールケロシンの価格ですがおおむね原油価格の$20増しが相場です。詳細は北辰物産株式会社から「(一般用) シンガポールケロシン日足チャート(FOB)」をクリックして見て下さい。

燃油サーチャージ値下げ幅

下記が国内航空会社であるANA及びJALの行先別国際線航空券燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)表です。海外航空会社も燃油サーチャージを設定している会社は同じような金額です。
燃油サーチャージを設定していない航空会社はシンガポール航空とカタール航空でした。
燃油サーチャージを安く設定している会社はエミレーツ航空とエティハド航空でした。
但し、燃油サーチャージが無かったり、安かったりしても航空券価格が安いとは限りませんのでグーグルフライトスカイスキャナーで検索してみる必要がありますね!

路線 2月1日~3月31日発券分
(片道)
4月1日~5月31日発券分
(片道)
日本=韓国 1,500 300
日本=東アジア(韓国を除く) 4,500 1,500
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン 5,000 2,000
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア 8,500 3,000
日本=ハワイ・インド・インドネシア 11,000 4,000
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア 17,500 7,000

LCCは各航空会社によって燃油サーチャージの設定が異なります。設定している会社もあればしていない会社もあります。金額もまちまちです。

航空券価格比較

航空券の比較方法として、3月31日と4月1日に、同じ旅程・日程で予約した場合どの程度航空料金が変わるのか比較してみました。

予約は各航空会社のWEB予約ページで行い、日程は往路6月5日、復路6月12日、行先は距離別にイギリス-ロンドン(LHR)、アメリカ-ロサンゼルス(LAX)、アメリカ-ハワイ(HNL)、タイ-バンコク(BKK)、台湾-台北(TPE)、航空会社は国内キャリアである、ANAとJALはもちろん、行先に直行便のある航空会社を選択してみました。また、乗継便や燃油サーチャージが無い航空会社も変化があるのか選択してみました。

航空券の選択に当たり、なるべく公平になるよう、国内キャリアは出発時間などを合わせましたが、海外航空会社の場合出発時間を合わせるのが難しくその時点での最安金額を選択してみました。

下記に記載した金額は航空会社WEB予約ページで表示された合計金額になります。金額には航空券、燃油サーチャージはもちろん、空港利用税や諸費用も含まれています。

東京~ロンドン往復価格

航空会社 3月31日発券価格 4月1日発券価格
ANA \195,840- \175,040-
JAL \194,240- \173,240-
ブリティッシュエアウェイズ \141,680- \130,740-
エミレーツ航空 \117,820- \107,920-

東京~ロサンゼルス往復価格

航空会社 3月31日発券価格 4月1日発券価格
ANA \141,910- \121,010-
JAL \145,810- \124,810-
デルタ航空 \87,670- \115,670-
ユナイテッド航空 \158,210- \137,210-
シンガポール航空 \188,210- \180,710-

東京~ハワイ・ホノルル往復価格

航空会社 3月31日発券価格 4月1日発券価格
ANA \107,910- \93,910-
JAL \108,310- \94,310-
ハワイアン航空 \95,210- \95,210-
ユナイテッド航空 \97,710- \83,710-

東京~バンコク往復価格

航空会社 3月31日発券価格 4月1日発券価格
ANA \73,580- \62,580-
JAL \65,980- \62,980-
タイ航空 \59,220- \55,580-
キャセイパシフィック航空 \64,980- \64,280-

東京~台北往復価格

航空会社 3月31日発券価格 4月1日発券価格
ANA \57,600- \51,560-
JAL \54,000- \46,000-
チャイナエアライン \42,500- \36,900-
エバー航空 \42,900- \35,000-

結 果

予約検索を一日違いで行っただけではなく、月またぎでありキャンペーンの開始・終了等の条件が変わっているので、一概に全て同じ結果ではありませんが、燃油サーチャージが大幅に下がっても、航空券の合計は燃油サーチャージ代分も下がらないという結果でした。

今回の予約検索でキャンペーンを含んでいない国内キャリアを比較してみると、東京~ロンドン及び東京~ロサンゼルスでは、3月31日発券の燃油サーチャージはANAが\35,200-、JALが\35,600-、4月1日発券の燃油サーチャージはANAが\14,200-、JALが\14,600-、ですので\21,000-の値下げとなり航空券の合計金額もほぼ\21,000-程度の値下げとなっています。また、ユナイテッド航空は国内キャリアと同じく\21,000-程度安くなっていますし、元々燃油サーチャージの安いエミレーツ航空も、安くなった分の値下げ幅となっています。

燃油サーチャージの値下げ分安くならなかったブリティッシュエアーウェイズは、国内キャリアと同じく燃油サーチャージが約\21,000-安くなっていますが、航空券の合計金額は\11,000-程度しか安くなっていません。デルタ航空についてはキャンペーンだったのか3月31日発券が非常に安く、4月1日発券が大幅に高くなっています(それでも5社中一番安いですが)。燃油サーチャージの設定が無いシンガポール航空については、\7,500-しか安くなっていないのでキャンペーン以外は安く利用できそうに無いですね!

下記は購入時のスクリーンショットになります。航空券の価格は変化ないですね。

長距離路線は上記の通り、国内キャリアは燃油サーチャージの値下がり分だけ航空券価格が値下がりしていましたが、中距離・短距離路線ではどうでしょうか?
前記価格比較表のとおり、国内キャリアは燃油サーチャージの値下がり分だけ航空券も値下がりしています。海外航空会社は国内キャリアより燃油サーチャージを低く設定していますので、あまり値下がりしていないですね。でも、燃油サーチャージ金額にわずかに及ばない程度で値下がりしてるのでお得に購入できますね。よって1日違いでずいぶん安く航空券が購入できますから、燃油サーチャージが値下がりしてから購入するほうがお得でした。

下記は購入時のスクリーンショットになります。今後もキャンペーン等で値下がりするかもしれませんが現在購入できる最安値で検索しました。

今後の燃油サーチャージ傾向について

前記の通り燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均で決定しますので、2019年2月~3月のシンガポールケロシン先物価格の平均は約$79前後です。これに為替レートをかけると約\8,800-程度ではないかと予想します。

燃油サーチャージ適用条件表

  ゾーン A ゾーン B ゾーン C ゾーン D ゾーン E
  6,000円以上 7,000円以上 8,000円以上 9,000円以上 10,000円以上
  7,000円未満 8,000円未満 9,000円未満 10,000円未満 11,000円未満
日本-韓国・極東ロシア 200円 300円 500円 1,000円 1,500円
日本-東アジア(除く韓国) 500円 1,500円 2,500円 3,500円 4,500円
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム・ロシア 1,000円 2,000円 3,000円 4,000円 5,000円
日本-タイ・シンガポール・マレーシア・ロシア 1,500円 3,000円 4,500円 6,500円 8,500円
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ 2,000円 4,000円 6,000円 8,500円 11,000円
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア 3,500円 7,000円 10,500円 14,000円 17,500円

上記燃油サーチャージ適用条件表のとおり3月31日までの発券はソーンE、4月1日~5月31日までの発券はゾーンBが適用されています。

6月1日~7月31日発券分についてはおそらく、ゾーンCが適用されるのではないかと考えています。

ですから今後旅行の計画をお考えの方は4月1日~5月31日までに航空券の購入を済ませたほうがお得ではないかと考えます。

但し、航空会社もキャンペーンなどを通年通じて実施していますので、明確にいつか買ったらいいかは難しいですね!

次回6月1日~7月31日発券分が値上がりが予想されますので、燃油サーチャージに対してどの程度航空券が値上がりするのか検証してみたいと思います。

ではでは、旅行計画の参考になれば幸いです。   つづく~~~

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