本日2020年2月1日より発券の燃料サーチャージは先月と同じゾーンCが適用となっております。ここ半年くらいは落ち着いた値動きとなっており、ゾーンCが継続しております。

燃料サーチャージの価格の元となる、原油先物価格(WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート))は最近は大きく変動のない値動きとなっておりますが、年明け早々に発生したアメリカ軍による、イランのソレイマニ司令官の暗殺で一時的に大きく値上がりしました。その後アメリカ-イランの報復攻撃は沈静化し原油先物価格は下落していますが、ニュースでは不穏な動きが報道され、まだまだ両国の動きは予断を許さない状況です。
また、1月中旬より世界を震撼させている新型コロナウィルスの拡大で、世界経済に影響を及ぼす懸念があり、ニューヨークダウ平均株価(DJI30)価格も続落しており、株価の下落に反応するかのように原油先物価格も下落しています。1月31日はニューヨークダウ平均株価(DJI30)が前日より600ドルも値下がりし世界経済に混乱が起きる可能性が出てきており、原油先物価格も下落傾向にあります。
そういったニュースもあり、燃料サーチャージの価格を決定する、シンガポールケロシンもここ数ヶ月大きな価格変動はないとはいえ、現在下落の傾向であります。
そんなわけで今後気になる、2020年4月以降発券の燃料サーチャージ価格動向について推測していきたいと思います。
燃油サーチャージとは
原油価格の変動による航空機燃料代が、航空会社の企業努力で吸収しきれない事を理由に燃料代の一部を、乗客が負担する追加運賃のことです。1997年に IATA(国際航空運送協会)が、燃油サーチャージ制度を決議してから、燃油代の一部を乗客が負担するようになっています。燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が1バレル6,000円を下回った場合、徴収されないことになっています。主要航空会社では、概ね金額改定が年6回、2ヵ月ごとに改定されている状況です。
算出期間と発券期間は以下の通りとなります。
発券日 | 適用額発表時期 | 平均値算出対象期間 |
4月~5月 | 2月中旬~下旬頃 | 12月~1月の2ヶ月平均値 |
6月~7月 | 4月中旬~下旬頃 | 2月~3月の2ヶ月平均値 |
8月~9月 | 6月中旬~下旬頃 | 4月~5月の2ヶ月平均値 |
10月~11月 | 8月中旬~下旬頃 | 6月~7月の2ヶ月平均値 |
12月~1月 | 10月中旬~下旬頃 | 8月~9月の2ヶ月平均値 |
2月~3月 | 12月中旬~下旬頃 | 10月~11月の2ヶ月平均値 |
燃油サーチャージの金額はシンガポールケロシン市場価格をもとに算出されます。同じ行き先でも航空会社や発着日によって金額が異なります。また、燃油サーチャージを徴収しない航空会社もあります。
気になるシンガポールケロシンの価格ですがおおむね原油価格の$20増しが相場です。筆者が参考にさせていただいている北辰物産株式会社から「(一般用) シンガポールケロシン日足チャート(FOB)」をクリックして見ていたのですが、1月9日から更新が停止していまして現在は最新の価格を確認知ることが出来ません。
筆者が現在参考にしている海外の証券会社をリンクしておきますので参考にしてください。
2020年2月~2020年3月発券分燃油サーチャージ
下記表右欄が国内航空会社であるANA及びJALの2020年2月~2020年3月発券行先別国際線航空券燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)です。参考の為に昨年一番高かった2019年8月~9月発券分を表左に記載いしました。片道分なので往復で×2の金額が航空券に加算となります。
海外航空会社も燃油サーチャージを設定している会社は同じような金額です。
燃油サーチャージを設定していない航空会社はシンガポール航空とカタール航空でした。
燃油サーチャージを安く設定している会社はエミレーツ航空とエティハド航空でした。
但し、燃油サーチャージが無かったり、安かったりしても航空券価格が安いとは限りませんのでグーグルフライトやスカイスキャナーで検索してみる必要がありますね!
路線 | 2019年8月1日~9月30日発券分 (片道) |
2020年2月1日~2020年3月31日発券分 (片道) |
日本=韓国 | 1,000 | 500 |
日本=東アジア(韓国を除く) | 3,500 | 2,500 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 4,000 | 3,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 6,500 | 4,500 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 8,500 | 6,000 |
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 14,000 | 10,500 |
LCCは各航空会社によって燃油サーチャージの設定が異なります。設定している会社もあればしていない会社もあります。金額もまちまちです。
2020年2~3月発券分燃油サーチャージ傾向について
前記の通り燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均で決定します。
昨年前半は右肩上がりで上昇していたのですが、米中貿易摩擦等世界情勢の影響もあり、年度後半は原油価格の下落と共にシンガポールケロシンも下落傾向となっています。
毎日の終値からの2019年12月~2020年1月のシンガポールケロシン先物価格は平均約$76.56と計算しました。
これに同時期の平均為替レート約\109.19をかけると約\8,360-程度ではないかと予想します。よって2020年4~5月発券分燃油サーチャージは据え置きのゾーンCが適用になるのではないかと考えています。但し、航空会社の計算方法は購入先のシンガポールケロシン先物価格を公表していないため、筆者が調べたシンガポールケロシン価格とは誤差が生じている可能性があります。
ゾーンCは確定事項ではございません。
詳しくは2月下旬に航空会社より発表される価格をお待ちください。
燃油サーチャージ適用条件表
ゾーン A | ゾーン B | ゾーン C | ゾーン D | ゾーン E | |
6,000円以上 | 7,000円以上 | 8,000円以上 | 9,000円以上 | 10,000円以上 | |
7,000円未満 | 8,000円未満 | 9,000円未満 | 10,000円未満 | 11,000円未満 | |
日本-韓国・極東ロシア | 200円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
日本-東アジア(除く韓国) | 500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム・ロシア | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア・ロシア | 1,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 |
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 |
上記燃油サーチャージ適用条件表のとおり2020年3月31日までの発券はゾーンC、2020年4月1日~5月31日までの発券は引き続きゾーンCが適用されるのではないかとみています。
燃料サーチャージ価格の変更は無いと予想しますので、今後旅行の計画をお考えの方は発券の期間を心配することなく計画出来るのではないかと考えています。航空会社もキャンペーンなどを通年通じて実施しており、また新型コロナウィルスの影響による航空客の減少で各航空会社の販促キャンペーン等売り出されるかもしれません。そう言ったわけで明確にはいつか買ったらいいかは難しいですが。。。
次回は2020年6月1日~7月31日発券分の燃料サーチャージについて報告してみたいと思います。
ではでは、旅行計画の参考になれば幸いです。 つづく~
2020.2.20追記
2月18日に国内各社より正式にゾーンC確定の発表がありました。
詳細は下記URLでお確かめください。
ANA:https://www.ana.co.jp/ja/jp/book-plan/charge/fuelsurcharge/
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