本日2020年6月1日より発券の航空券は燃料サーチャージの徴収廃止となりました。これは世界を震撼させている新型コロナウィルスの拡大による、世界経済の減衰に伴う、原油消費の激減が影響しており、その影響は続いております。
燃料サーチャージの価格を決定する、シンガポールケロシン価格は減少幅が大きく、世界中で航空機飛行が減少している為に、通常なら原油価格の20~30%程度高で取引されるシンガポールケロシンは、現在原油よりも低い価格で取引されている現状です。
そんなわけで2020年8月以降発券の燃料サーチャージ価格も引き続き徴収無しと考えています。
内訳は、4月1日~5月29日のシンガポールケロシン先物取引価格の平均が約26USDであり、ドル円平均107.5をかけて約2800円と計算されるので、燃料サーチャージが徴収される基準値の6000円を大きく下回っています。
しかし、この新型コロナウィルスの影響で、海外旅行なんてもってのほかの状況になっており、今日6月の時点では海外旅行できる状況ではありません。世界情勢を考えると早くて10月、このまま長引けば来年春まで無理なのかもしれません。渡航の可否詳細は外務省のWEBページでお確かめ下さい。
今はどうか早く収束し、海外旅行に行けるようになるのを願うばかりです。
燃油サーチャージとは
原油価格の変動による航空機燃料代が、航空会社の企業努力で吸収しきれない事を理由に燃料代の一部を、乗客が負担する追加運賃のことです。1997年に IATA(国際航空運送協会)が、燃油サーチャージ制度を決議してから、燃油代の一部を乗客が負担するようになっています。燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が1バレル6,000円を下回った場合、徴収されないことになっています。主要航空会社では、概ね金額改定が年6回、2ヵ月ごとに改定されている状況です。
算出期間と発券期間は以下の通りとなります。
発券日 | 適用額発表時期 | 平均値算出対象期間 |
4月~5月 | 2月中旬~下旬頃 | 12月~1月の2ヶ月平均値 |
6月~7月 | 4月中旬~下旬頃 | 2月~3月の2ヶ月平均値 |
8月~9月 | 6月中旬~下旬頃 | 4月~5月の2ヶ月平均値 |
10月~11月 | 8月中旬~下旬頃 | 6月~7月の2ヶ月平均値 |
12月~1月 | 10月中旬~下旬頃 | 8月~9月の2ヶ月平均値 |
2月~3月 | 12月中旬~下旬頃 | 10月~11月の2ヶ月平均値 |
燃油サーチャージの金額はシンガポールケロシン市場価格をもとに算出されます。同じ行き先でも航空会社や発着日によって金額が異なります。また、燃油サーチャージを徴収しない航空会社もあります。
気になるシンガポールケロシンの価格ですがおおむね原油価格の$20増しが相場です。筆者が参考にさせていただいている北辰物産株式会社は2月より更新を停止していますので、現在は最新の価格を確認知ることが出来ません。
筆者が現在参考にしている海外の証券会社をリンクしておきますので参考にしてください。但し海外(USA)での購入価格なので、日本価格とは差異があります。
2019年10月~2020年5月発券分燃油サーチャージはゾーンC
下記表右欄が国内航空会社であるANA及びJALの2020年4月~2020年5月発券行先別国際線航空券燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)です。参考の為に昨年一番高かった2019年8月~9月発券分を表左に記載いしました。片道分なので往復で×2の金額が航空券に加算となります。2019年8~9月発券分はゾーンDでしたが2019年10~2020年5月まではゾーンCで安定しております。
海外航空会社も燃油サーチャージを設定している会社は同じような金額です。
燃油サーチャージを設定していない航空会社はシンガポール航空とカタール航空でした。
燃油サーチャージを安く設定している会社はエミレーツ航空とエティハド航空でした。
但し、燃油サーチャージが無かったり、安かったりしても航空券価格が安いとは限りませんのでグーグルフライトやスカイスキャナーで検索してみる必要がありますね!
路線 | 2019年8月1日~9月30日発券分 (片道) |
2020年4月1日~5月31日発券分 (片道) |
日本=韓国 | 1,000 | 500 |
日本=東アジア(韓国を除く) | 3,500 | 2,500 |
日本=ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 4,000 | 3,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 6,500 | 4,500 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 8,500 | 6,000 |
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 14,000 | 10,500 |
LCCは各航空会社によって燃油サーチャージの設定が異なります。設定している会社もあればしていない会社もあります。金額もまちまちです。
燃油サーチャージ徴収額について
前記の通り燃油サーチャージは改定時点における、直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均価格と同期間の為替レートの平均で決定します。下記がシンガポールケロシン平均価格に対する燃料サーチャージ徴収額です。
燃油サーチャージ適用条件表
ゾーン A | ゾーン B | ゾーン C | ゾーン D | ゾーン E | |
シンガポールケロシン価格 | 6,000円以上 | 7,000円以上 | 8,000円以上 | 9,000円以上 | 10,000円以上 |
シンガポールケロシン価格 | 7,000円未満 | 8,000円未満 | 9,000円未満 | 10,000円未満 | 11,000円未満 |
日本-韓国・極東ロシア | 200円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
日本-東アジア(除く韓国) | 500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム・ロシア | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア・ロシア | 1,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 |
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 |
次回は10月1日~11月30日発券分の燃料サーチャージについて報告してみたいと思います。
ではでは、旅行計画の参考になれば幸いです。 つづく….
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