スポンサーリンク

ライアンエアーFR4987便をベラルーシが緊急着陸させ「ジャーナリストを拘束」した事件をフライトレーダー24で検証してみた。これは許せない!!

飛行機

ギリシャからリトアニアに向かっていた欧州格安航空会社ライアンエアーの旅客機が23日、ベラルーシに緊急着陸させられた。

それは搭乗していた反体制派ジャーナリストの拘束が目的だったと、報道されています。

スポンサーリンク

飛行時系列

現時点で報道されている内容をフライトレーダー24(Flightrader24)で追ってみましょう。

下記がアテネ(Athems(ATH))7:30発のライアンエアー(Ryanair) FR4978便で到着地はリトアニアの首都ヴィリニュス(Vilmius(VNO))です。

総飛行距離は1859kmと短距離路線で、東京~台北に匹敵します。飛行時間は2時間38分であり、離陸から着陸までは約3時間の旅程となっています。

しかしもう少しでEU圏であるリトアニア上空なのに、Uターンしてロシアと政治的につながりの強いベラルーシの首都ミンスクにルートを変更しています。飛行ルートを単純に見てみると、爆発予告があって緊急着陸が必要なら、そのまま飛行して目的地のヴィリニュス(Vilmius(VNO))に着陸したほうが良いと判断できるのですが、この時点でパイロットは死の恐怖を感じていたのではないかと思っています。その理由は以下に検証します。

グーグルマップで距離を計算してみると、FR4978便がUターンしたベラルーシの地方都市リダからリトアニア上空まで約40km、ヴィリニュス(Vilmius(VNO))国際空港まで約80kmと全行程の約95%を消化していました。

Uターン直前までは高度39000ft(118,000m)飛行速度も地対空で462kts(855km/h)と通常の巡航水平飛行を実施しているように見えますが、着陸予定空港まで約80kmの地点では高度も高く、飛行速度も速いと考えます。通常なら着陸前200kmくらいで着陸態勢に入り、残り100kmならば高度は半分以下になっているでしょう。

このことから、FR4978便はベラルーシ上空に侵入した時から強制着陸の指示が出ていたのでは無いでしょうか?後40km飛行すればリトアニア上空に侵入できるのですから飛行速度からすると3分でベラルーシを抜けることが出来ますからね。

報道によると「ミグ-29戦闘機によってミンスクへと誘導された。」とあることから、FR4978便はベラルーシ上空侵入後直ぐにミグ29戦闘機が並走していた可能性もあり、場合によってはFR4978便の前に出て進路を妨害するような真似もあったのではないかと推測します。

この様な状況ではパイロットは周辺国及び航空会社に状況を説明し、判断を仰ぐと考えますが、とりあえず高高度を保ち最大出力で飛行を継続していたと考えます。但しベラルーシ側の圧力により航空機が墜落させられる恐れもあり、仕方なくベラルーシ政府の要請に従ったのではないかと考えます。

FR4978便は本来ならベラルーシ進入時からの上空飛行距離は250km程度であり飛行時間も20分程度です。それなのにミグ29戦闘機による脅迫の結果、後3分間無事に飛行することが出来ないと考え、しぶしぶミンスクへの着陸にいたったのではないかと検証します。

以上のことからパイロットは強制着陸の命令を受けた時から何らかの陰謀だと考え、なんとか逃げ切ろうと行動していたと思いますが、戦闘機に並走されれば墜落の恐れもあり自らの死の恐怖と合わせ、乗客の安全を最優先した行動をとらざるを得なかったんだと考えています。

ジャーナリストの拘束

ベラルーシ当局は23日、強制着陸の理由はライアンエア旅客機に対し、危険物が仕掛けられた可能性があるとしてミンスクの空港に緊急着陸するよう指示していますが、本当の目的は以下報道の様に反体制派のジャーナリストの拘束です。

緊急着陸後、ベラルーシのメディア「ネクスタ」グループで元編集長を務めていたロマン・プロタセヴィッチ氏(26)が拘束された。ネクスタは、同便の機内と乗客に対して捜索が実施され、同氏が連行されたといち早く報じた。

その後は、航空機には爆発物はなかったとして、目的地のヴィリニュス(Vilmius(VNO))へ出発が認められ、同機は7時間半遅れでヴィリニュス(Vilmius(VNO))に到着しています。

また、今回の事態を受けて旅客機の到着地のリトアニアの捜査当局は声明を発表し、ギリシャ、アテネの出発時の搭乗客は126人だったのに到着時には121人に減っていたとした上で、刑事事件として捜査を始めたことを明らかにしました。

すなわち、拘束されたジャーナリストの他にミンスクで4人が降機したと言うことになります。これは個人的な推測ですが、ベラルーシ政府はうまくいかなかった場合ハイジャックしてミンスクに着陸させていたかもしれません。

(2021.5.26 Update)
ベラルーシ当局はロマン・プロタセヴィッチ氏(26)と一緒に「交際相手のロシア人、
ソフィア・サペガ氏(23)が、ベラルーシの警察に拘束された。」と発表しました。
ソフィア・サペガ氏(23)は、プロタセヴィッチ氏が関係するメディア
「テレグラム」の番組「ブラック・ブック」の編集長を務めています。

拘束されたジャーナリストの身柄はロイター通信などの報道では、インターネット上で拡散した反政権派のジャーナリスト、プロタセビッチ氏の動画を伝えました。

動画がいつどこで撮影されたかはわかっていませんが、プロタセビッチ氏は「ベラルーシの首都ミンスクの拘置所にいる」と話していて、ベラルーシ当局によって撮影されたとみられます。

プロタセビッチ氏は30秒の動画のなかで「心臓やその他の臓器に健康上の問題はない」としたうえで「私は捜査に協力し、ミンスクで大規模な暴動を組織した事実を認めると証言している」と話しています。

この動画について反政権派の幹部は「明らかに強要されたものだ」として、ベラルーシの当局に強要された発言だという見方を示しました。

各国の対応

これは国家ぐるみのハイジャックであり、許すことが出来ない犯罪です。

リトアニア政府はベラルーシ当局がハイジャックや誘拐の疑いで捜査していて、すでに操縦士から話を聞き乗客からも聴取する方針だと伝えています。

リトアニアとしてはベラルーシの当局が乗客の反政権派のジャーナリストを拘束したことからその状況や事実関係を調べるとみられます。

EUは首脳会議で対応を協議しました。

その結果、加盟各国はベラルーシを非難しプロタセビッチ氏の即時解放を求めた上で、ベラルーシの航空会社の航空機によるEU上空の飛行やEU域内の空港への着陸を禁じるなどの制裁を科すことで合意しました。

さらに民間の航空機に関するルールを定める国連の専門機関に対し緊急の調査を求めているほか、EU域内に拠点を置く航空会社にベラルーシ上空の飛行を避けるよう呼びかけています。

その声明ご実際のベラルーシ上空の飛行状況はどうなったかと言うと、声明通りEU加盟国はベラルーシ上空を飛行せず迂回して飛行しているのがフライトレーダー24(Flightrader24)で観察できます。ただし、ロシアの航空会社は勿論の事、中国やインドの航空会社はベラルーシ上空を横切ってるのが確認できました。日本の航空会社はもともとベラルーシ上空を飛行するルートは無いのでこの声明には関係ありませんし、アメリカ系航空が会社も今のところ見かけません。

一方日本政府は加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、ベラルーシが旅客機を強制着陸させ、政権に批判的なジャーナリストを拘束した問題に関し「事実関係を確認中だ」と述べた。「航空機の運航と無関係な理由で乗客を拘束したとすれば、強く非難されるべきものだ」と話した。

おそらく今後西側諸国と強調しベラルーシへの経済政策等考えていくのではないかと考えています。

とにかくこれは国家レベル犯罪であり、北朝鮮の拉致事件に匹敵する犯罪だと考えます。こんなことを見逃すわけにはいきません。

コメント