マイアミ現地時間2021年6月24日午前2時頃(日本時間の2021年6月24日午後3時頃)鉄筋コンクリート12階建てマンションの東側2/3程度が崩壊しました。時間帯を考えると就寝中の出来事で周辺住民は、落雷か爆発が起こったのではないかと感じるほどの衝撃があったそうです。
現時点での崩落原因は不明ですが、崩壊マンションの屋上で工事を行っていたとの情報があります。
場所・住所
住所:8777 Collins Ave, Surfside, FL 33154 USA
場所は、マイアミ中心地より約20km(12mile)離れた東海岸ビーチ沿いの最高のロケーションです。周辺はリゾートホテルが立ち並び南北に100kmビーチが続くアメリカ本土でも屈指のビーチリゾートです。
建物詳細
建物管理会社URL:https://www.champlainsouth.org/
マンションは1981年に竣工し築40年の鉄筋コンクリート造集合住宅です。下記画像の通りワンブロック南側に同時期に同じ設計で建設された双子のマンションがあります。青丸が今回崩落した建物、赤枠が双子の建物で崩落はしていません。
アメリカの不動産売買サイトであるzillowで確認すると、崩落したマンションでの販売はありませんでしたが、北側(赤丸枠)の双子建物では1件販売されていましたので、紹介します。
竣工は同じく1981年で構造・階数も同じです。
1ベッドルーム・2バスルームの1,200sqft(約120m2)で価格は$725,000 日本円で約8,000万円(1$=110円換算)とアメリカにしては場所を考慮して安いかなと言う感想です。
アメリカの不動産売買サイトであるzillowで検索してみると、崩壊マンションの南側に今年竣工したマンションが販売されており、1000sqftで$2,000,000-(約2億2千万円)、最上階3200sqftで$11,400,000-(12億5千万円)で絶賛セール中です。やはりロケーションも良く新築だと相当高価ですよね。
原因
現在(事故後20時間経過)では当局より事故の原因について正式なコメントは発表されていません。現在の状況は人命救助に全力を尽くす事としており、行方不明者の全容がつかめるまで原因究明に着手しない意向となっております。
地元新聞の記事を翻訳してみると、タワーの約55室が崩壊し、136部屋を抱える別棟の住民たちは避難している。25日現在、居住者のうち99人とは連絡が取れておらず、3人の死亡が確認されている。冬用にマンションを所有している人もいるため、実際に何人が部屋にいたかは不明だという。
またテレビニュースでは、マンションは40年目の点検を受けている最中で、これは構造上の安全性確認調査だったとのことです。また同時期に屋上も修理されており、前日も監督官庁が進行状況を確認していたという。
他に大学教授のコメントで、地盤沈下を問題視する声もあります。建物は1993年から1999年まで年間で2ミリほど地盤沈下していたという。(調査合計でハーフインチ(12.5mm))
捜査当局も、崩壊は一階部分より発生したいたとの見解を述べています。
その他にコンクリート修理の専門家は、塩水によるコンクリートの剥離で、内部の鉄筋が錆びて膨張、それがさらにコンクリートの剥離や崩壊を進める悪循環の現象があったのではないかと指摘しています。コンクリートの補修業者関係者はそれをコンクリートの癌と表現し、「癌が広がることでコンクリートが壊れ、時間の経過と共にその箇所がどんどん脆弱化していく」と指摘し今回の事故の原因ではないかと説明しています。
いずれにしてもこれだけの崩壊を起こしている建物ですから、監査当局による大規模な原因究明が実施されると考えています。
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