5 秒の間、Thought about escalating tensions and covert operations
Advancing nuclear and missile capabilities
Kim Ipyu’s progress in nuclear and missile technology creates tension. Hanafuda orders a US CSG to the Sea of Japan, prompting North Korean retaliations. Infiltration by JSIA, capitalizing on a weak Chinese border, intensifies.
以下に、第5章をお送りします。前章では、アメリカ合衆国の新大統領ハナフダが北朝鮮・金一平の核開発を強く牽制し、双方の挑発が激化しつつある状況が描かれました。本章では、北朝鮮のミサイル開発成功やアメリカ空母打撃軍の展開、そして中国国境付近からのJSIA(日本秘密捜査局)メンバーによる北朝鮮潜入作戦が描かれ、物語がいよいよ本格的な危機へ傾いていきます。どうぞご覧ください。
第5章 尖る弾道と潜入の夜
1.北朝鮮の核・ミサイル開発加速
北朝鮮最高指導者・金一平(キム・イピュ)は、国営放送を通じて改めて堂々と宣言した。
「我々が進める核兵器こそ、わが国体を守り抜く“革命の宝”である。アメリカや日本のいかなる圧力にも屈しない!」
その言葉どおり、北朝鮮はここ数か月でさらに核開発を加速させ、同時に弾道ミサイルの射程延伸を実現しようと躍起になっている。過去の発射実験を分析する限り、既に短距離や中距離ミサイルで一定の成功を収めているとされ、加えて今回、グアムまで到達可能とみられる新型ミサイルの発射を敢行してしまった。
世界中がこのニュースに震え上がる。
- グアムとは、米国の重要な軍事拠点がある場所
- そこを射程に入れるミサイルを北朝鮮が所有するという事実は、アジア太平洋地域の戦略バランスを大きく揺るがす
アメリカ合衆国大統領・ハナフダは即座に声明を出し、「北朝鮮が核弾頭を搭載しうるミサイルを完成させたなら、我々は断固として叩き潰す。対話の意思を示さないなら軍事オプションだ」と過激な言葉を並べた。米国務省や国防総省も、これに歩調を合わせる形で作戦計画を再検討しはじめる。
2.怒りのハナフダ、空母打撃軍を派遣
ハナフダ大統領は、グアム射程内ミサイルの成功報道を受け、前から準備していた空母打撃群(Aircraft Carrier Strike Group)の派遣を決断する。
「北朝鮮の脅威を直ちに封じる。空母と随伴艦を日本海へ送り込み、いつでも先制攻撃できる体制を敷く!」
この発表に米国内でも賛否両論が巻き起こるが、大統領は支持層の歓心を得るため、強硬姿勢をさらにエスカレートさせる。数日後、米海軍の空母と巡洋艦・駆逐艦などが日本海に展開し、協同訓練を名目としながら北朝鮮沿岸ににらみを利かせ始めた。
北朝鮮の金一平は「米国こそ侵略者だ!」と国営テレビで声高に叫び、ミサイルさらに数発を試射する構えを見せる。国内のプロパガンダは「アメリカが攻めてくれば我々は核を撃ち込むのみ!」と激烈な反米ムードを煽り立てた。
3.JSIAの視線と韓国・米国の連携
日本政府は、ハナフダの強硬発言と北朝鮮の迎撃困難なミサイル完成が同時に進んだことで、いよいよ戦争の危機が高まっていると認識する。そもそも日本人拉致問題や核脅威が存在する以上、国としては黙ってはいられない。
その一方、内閣官房の一部や防衛省は、水面下で**JSIA(Japanese Secret Investigation Agency)**による北朝鮮への情報工作を期待していた。
「もし米軍が実際に攻撃へ踏み切れば、拉致被害者の安否はどうなる? 一刻も早く居場所を把握し、必要なら奪還しなければ」
首相周辺はそう危惧し、JSIAリーダー・**栗山秀和(ボス)**へ極秘の指示を出す。
ここで、アメリカCIAも同様に緊迫しており、大統領の怒りを利用しつつ、着々と軍事オプションを検討している。JSIAはCIAや韓国NISと再び協議を行い、北朝鮮内部での人脈や亡命者ネットワーク、地上施設へのアクセスルートを洗い出すことになる。
4.中国国境が手薄に?
北朝鮮は、アメリカ空母打撃群が日本海(東海)に展開している事態に対応するため、軍主力を東側(日本海側)へ移動させている。そこにはミサイル基地や対艦ミサイル、防空砲などを集中配備し、いつでも“飽和攻撃”を行うという構えを見せている。
その結果、当然ながら中国との国境地帯の警備が手薄になったという情報が、韓国NISやCIAなど諸外国の諜報網を通じて伝わってきた。
- 北朝鮮北部の国境沿いは山岳地帯で地形が険しい
– しかし、警備の目が薄いなら密かに潜入できる可能性がある
とくに、一部の脱北者は「この辺りなら案内できる」と手引きを申し出ているとの噂があった。
5.亡命者が語る潜入ルート
ある日、JSIAが韓国NIS経由で入手した情報に、北朝鮮から逃れてきた亡命者が記したメモが含まれていた。そこには、中国国境の特定地点から北朝鮮の奥地へ向かう小道がマークされ、「最近、東側への軍移動でこの国境地帯がさらに薄くなった」という旨が書かれている。
「もし本気で潜入するなら、ここを通ればバレない可能性が高い。俺たち脱北者も通ってきたルートだ。だが、危険な場所や地雷原もあるから、案内人が必要だろう」
メモにはそんなことが示唆されており、JSIAの分析官ノブ(山本伸吉)や峰不二子は興味深くデータを照合する。北朝鮮内部の地図と合わせてみると、確かに近道になりそうな山道が存在し、普通の軍部隊なら通らないような難所だ。まさに「抜け道」と言うにふさわしい。
6.JSIA、潜入作戦を決断
JSIAリーダーのボス(栗山秀和)は、メンバーを前に話す。
「アメリカ空母の威圧で、北朝鮮が東側に軍を集中させている。これはチャンスかもしれない。実際に兵力が手薄になった中国国境地帯から潜入すれば、拉致被害者の居場所を探ることも可能だろう。……政府筋からも“有事が起きる前に情報を取ってこい”との意向が出ている」
イッチ(鈴木一歩)は苦渋の表情を見せる。
「危険なミッションだ。成功すれば被害者救出の糸口がつかめるが、見つかれば北朝鮮に拘束され、交渉カードにされるのがオチだぞ?」
マッチョ(吉田尚也)やムネ(村上宗徳)も同じ懸念を抱えるが、一方で「このまま何もしないなら戦争で巻き込まれかねない」と現実を直視している。
ソー(大谷聡平)は拳を握りしめ、「行くしかないでしょう。自分たちが動かなければ被害者は……」と語気を強める。
ボスは彼らの目を見て頷き、最終決断を下す。
「分かった。中国国境経由での潜入作戦に踏み切ろう。もちろん軍事衝突は避けたいが、いざという時に被害者を救出できるよう、まずは正確な内部情報をつかむんだ。CIAと韓国NISにも協力してもらえるよう取りまとめる。……皆、準備に入ってくれ」
7.米空母打撃群と北朝鮮の対峙
この頃、日本海上にはアメリカ空母打撃群が続々と集結し、北朝鮮の沿岸を監視しつつ演習を行っている。金一平は「アメリカが攻めてくるなら、先制攻撃を敢行する」と恫喝し、各地のミサイル基地へ兵員と装備を集めた。
世界のメディアは「今にも米朝が衝突するのでは?」と大々的に取り上げ、株式市場は大きく変動し、周辺国に緊迫感が広がる。日本政府としても、もし一発でもミサイルが飛んできた場合、迎撃や対処をせねばならず、日朝戦争の勃発すら現実味を帯びていた。
8.潜入準備――亡命者の手引き
JSIAのメンバーたちは、韓国ソウル近郊のある秘密施設に集まり、亡命者から詳細なルート説明を受けていた。そこは韓国NISが管理し、北朝鮮脱出者の保護と情報聴取を兼ねた場所だ。
亡命者の男は30代半ば、かつて北朝鮮軍で国境警備を担当していたと名乗る。実際に中国側へ逃げた経験があり、「この川と山を越えれば、普通の兵士は追ってこれない」とリアルな地形を地図に描いて説明する。
「ただし、途中で地雷原を抜ける箇所がある。軍が昔から敷設していて、場所は把握できるが今は雑草や泥で隠れている。ここで必ずルートを外さないこと。そうすれば中国国境から北朝鮮内陸へ入り込める」
ムネやイッチは熱心にメモを取り、マッチョとソーはルートの写真や衛星画像を細かく確認する。ノブは携帯用GPSや通信機材の設定を進めるが、「北朝鮮内は電波妨害もある。うまく作動しない可能性がある」と苦い顔をする。
9.潜入開始
数日後、JSIAチーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)が亡命者を案内役に加え、中国側から北朝鮮へ夜間に越境を試みる。ボスと残りのメンバー(ノブ、峰不二子、佐々木)は後方で支援に回り、必要に応じて韓国NISやCIAとの連絡を取り合う段取りだ。
深夜、国境の警備をくぐり抜け、薄暗い山道を歩くチームの姿があった。周囲は森と崖が入り組み、足元が滑りやすい場所も多い。懐中電灯さえ使えず、亡命者の男が小声で指示を出しながら進む。彼らは軽装備ながら、万が一の銃撃戦に備え拳銃や短機関銃を忍ばせていた。
「こっちだ、足元に気をつけろ……」
亡命者が警戒しながら木の枝をかき分ける。その先に鉄条網のようなものがあり、イッチがペンチを使ってそっと切断する。すると、ゆるやかな斜面が続いていて、その先には小さな川が見えた。明るい月夜が幸いし、まったくの闇ではないが、逆に警備兵に目視される危険もある。
マッチョとムネが先行して周囲を確認し、数百メートル先に微かなランプが見える。おそらく国境警備の詰所か何かだろう。ソーは息を詰めて山道を進み、フェンスをくぐり、無事に警戒線の外へ到達する。
こうして、JSIAチームは北朝鮮国内への潜入に成功する。これが、後に大きな結果を呼び込む最初の一歩となるが、彼らはまだそれを知る由もない。頭の中にあるのは、拉致被害者を救出したい一心だ。
10.日本国内で高まる緊張
同時期、日本国内では連日、メディアが「北朝鮮のミサイルがグアムまで届く」と報じ、国民が不安を募らせていた。
- アメリカ空母が日本海に来ている以上、日本が戦争に巻き込まれるかもしれない
- 拉致被害者の家族は「このまま戦争になったら、うちの娘や息子はどうなるんだ」と泣き声を上げる
- 政治家たちは国内世論をなだめつつも、北朝鮮への追加制裁や防衛力強化を訴える
そんな中、政府上層部だけは、JSIAが既に北朝鮮へ潜入した事実をかろうじて把握していた。一部の官僚や自衛隊幹部は「危険だが、これ以外に道はない」と理解し、極秘裏にJSIAの成功を祈るしかない状況だった。
11.北朝鮮国内の様子と潜入の意味
潜入後のJSIAチームは、山岳地帯から少しずつ村落のほうへ進む計画を立てている。まずは拉致被害者が集められているとされる収容所や教育施設の位置を確認し、どの程度の警備があるかを探りたい。
もし遭遇戦になれば即アウトの可能性が高く、イッチがメンバーに何度も「決して無理するな。目標は情報収集が最優先だ」と念を押す。マッチョが「了解、まずは匂いを嗅ぐだけだ」と返し、ムネとソーも静かにうなずく。
この一行が北朝鮮の内部情報を手にできれば、やがて拉致被害者救出の作戦につなげられるかもしれない。しかし、同時に米国が攻撃に踏み切るタイミングが近づいているかもしれず、時間との闘いとも言える。
12.空母打撃群と北朝鮮軍の動き
一方、日本海では空母「ゲイリー・スー」(仮名)を中心とする米軍打撃群が、北朝鮮沿岸への威圧行動をエスカレート。戦闘機の巡回飛行や、対潜哨戒機の飛行を増やし、北朝鮮がミサイルを撃てば即時報復する構えを見せている。北朝鮮も日本海沿岸の基地に多数のミサイル・砲兵を配備し、緊張はピークに達していた。
「いつでも打ち合いが始まる可能性がある」
米国防総省はそう表明し、日本や韓国にも軍備増強を促す。韓国は首都ソウルが砲撃されるリスクからパニックに陥りかねず、在韓米軍と韓国軍が首都防衛体制を取っている。
13.CIAのさらなる扇動
CIA内部では、この情勢を見て「ハナフダ大統領は本気で攻撃するかもしれない。核施設を爆破するための特殊部隊派遣もあり得る」との観測が飛び交い、強行論と慎重論が入り混じっていた。ただし、CIA幹部の一部は「紛争が起これば予算拡大と権限アップが期待できる」と打算を抱えており、大統領の耳に対してはいっそう強い北朝鮮脅威の報告を上げ続ける。
「金一平がミサイルでグアムを狙えるなら、次はハワイやロサンゼルスだって……」
そんな言葉が飛び交い、ホワイトハウスでは“極端なシナリオ”のシミュレーションが急ピッチで進行する。
14.JSIAチーム、国境越え成功
そして、JSIAチームは亡命者の手引き通り、中国国境からの潜入ルートを抜け、無事に北朝鮮の山中へ入り込むことに成功する。夜間に森を抜け、さびれた集落を通過しながら、軍の警戒線を回避して移動を続ける。
深夜、古い民家の廃墟で一息ついたイッチが無線機を取り出し、ボスやノブら後方支援組と暗号化通信を試みる。ノブがすぐに応答し、小声で“無事に侵入した”という確認を受け、作戦継続の方針を伝える。
マッチョとムネは周囲を警戒しつつ、ソーが地図を広げて目的地の座標を指差す。
「あと数キロ先に集落があり、そこに情報源となる脱北支援者の仲間がいるらしい。彼らから拉致被害者が収容されている施設の具体的な場所を聞き出せるかもしれない」
亡命者の案内人がうなずき、「ただ、そこにも兵士が増えている可能性がある」と付け加える。チームは再び緊張感を高め、闇の中を一歩ずつ前進していく。
15.北朝鮮の対抗措置
JSIAが潜入に成功した夜、北朝鮮軍は東岸防衛をさらに強め、米艦隊に対抗しようと砲兵部隊の配備を進めていた。加えて国内の防諜体制を強化し、国境警備を増やす計画もあったが、人員が足りず後手に回っている。
金一平は軍幹部を集めて叱咤する。
「国境に穴があるなど許されない! 西や北の国境は油断するな。亡命者など出ようものなら、即刻処罰だ!」
だが幹部たちは「既に兵を東へ回してしまい、今すぐ増援を送るのは困難です」としどろもどろに答えるしかなかった。こうした指揮の混乱こそが、JSIAの潜入を成功に導く要因となる。
16.世界は戦争の瀬戸際へ
国連安保理では各国が緊急協議し、アメリカに対して「武力行使は最後の手段だ」と苦言を呈する声が出ているが、ハナフダ大統領は意に介さない。北朝鮮が核を捨てるまで圧力を高めると宣言し、空母群の展開をさらに強化する。また、追加の駆逐艦や潜水艦まで動員し、日本の自衛隊とも海上演習を開始した。
日本政府は「防衛力を強化し、拉致被害者を救出すべくあらゆる手段を検討する」と表明。メディアは「もはや日朝戦争が起きるかもしれない」と大騒ぎし、国民の間に避難用品や備蓄を買い求める動きが広がる。
17.ボスの決意
東京のJSIA本部で後方支援に回っているボス(栗山秀和)は、潜入したイッチたちの無事を祈りつつ、政府や官邸からの新たな要求に備えていた。
「もし戦争が始まれば、潜入メンバーはどうなる? 最悪の場合、空爆の混乱で接触不能になるかもしれない……」
ノブが不安を口にすると、ボスは静かに返す。
「彼らは自分の意思で行った。被害者救出の可能性があるなら、その道を選ばない手はない。……我々は最後まで連絡を確保し、何かあれば協力して脱出ルートをつくる。CIAやNISとも連携しておけ。とにかく無事を祈るしかない」
峰不二子が傍らで端末画面を見つめつつ頷く。佐々木喜朗も「場合によっては救援用の飛行ルートを確保しなきゃ」と準備を進める。
18.結末への伏線
こうして第5章では、北朝鮮がついにグアム射程のミサイル発射を成功させ、激怒したハナフダ大統領が日本海に空母打撃軍を派遣する段階に入った。
金一平は核とミサイルで威嚇を続け、国内の兵力を東岸に集中しているため、中国国境警備が手薄となり、JSIAは亡命者の助けを得て北朝鮮内部への潜入を果たす。ここから先、彼らが拉致被害者の手がかりを掴めるのか、それとも米朝戦争の引き金が引かれてしまうのか――世界は今まさに戦争の瀬戸際へと足を踏み出そうとしている。
次章(第6章)の予告
- JSIAの潜入チーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)は北朝鮮奥地へ深く進み、拉致被害者収容施設に関する情報を探ろうとする。
- しかし、金一平が軍に厳戒態勢を布かせ始め、国境周辺の警戒も徐々に再強化される。
- アメリカ空母と北朝鮮沿岸軍の対峙が激化し、一触即発の空気が漂う。日本や韓国、世界が固唾をのんで見守るなか、「日朝戦争」という最悪の火蓋が落ちるのか、それとも回避されるのか。
- 拉致被害者救出は間に合うのか、JSIAメンバーの運命はどうなるのか。
次回も是非お楽しみに。
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