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AI小説 第二弾「日朝戦争開戦」第7章 揺らぐ日本と動き出す総攻撃

AI

Thought about JSIA’s infiltration and escalationを数秒行う

Assessing Japanese reaction to the North Korean missile

Japan’s Prime Minister shows hesitation, prompting the US President to independently launch a full-scale strike, possibly marking a pivot in their alliance dynamics.

以下に、第7章をお送りします。前章までは、北朝鮮の金一平(キム・イピュ)が強硬姿勢を深め、アメリカ合衆国大統領ハナフダが空母打撃群を展開したことで全面衝突の危機が高まる中、JSIA(日本秘密捜査局)の潜入チーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)が北朝鮮へ入り、拉致被害者の所在を探る動きが描かれました。

この第7章では、北朝鮮が日本近海にミサイルを発射して緊張がさらにエスカレートし、日本政府の弱腰対応やハナフダ大統領の怒り、そして北朝鮮軍の総動員による平壌警備の手薄化を受け、JSIAメンバーがついに拉致被害者が潜む軍施設への潜入を実行する様子が描かれます。どうぞご覧ください。


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第7章 揺らぐ日本と動き出す総攻撃

1.日本近海へ飛来したミサイル

 北朝鮮は、アメリカが本気で攻撃を考えているかどうかを試すかのように、日本近海へ向けて弾道ミサイルを発射した。深夜、突然放たれたミサイルは弧を描いて大気圏を再突入し、日本列島の東側近海へ落下する軌道をとった。
 しかし、イージス艦(海上自衛隊・米海軍)が発射からわずかな時間で迎撃に成功し、ミサイルは空中で破壊された。海面に破片が落下しただけで、日本本土への被害はなかった。とはいえ多くの国民は激しい衝撃を受け、「ついに北朝鮮が実弾ミサイルを日本に向けて撃ってきた」という不安が一気に広がる。

2.弱腰の日本総理

 ところが、日本の総理大臣は、国会で「本土への被害はない」とだけ発言し、さらなる具体的対応を示さなかった。野党やメディアからは「弱腰だ」「北朝鮮に舐められている」と猛批判されるものの、総理や与党幹部は「日米同盟の連携を見守る」「米軍が動くなら我々は後方支援に回る」という曖昧な姿勢を崩さない。
 実際、総理はハナフダ大統領とのホットラインで連絡を試みるが、大統領は激怒しており、まともに相手をしない。周囲からは「このままでは日米間の信頼関係も危うい」と危惧されるが、首相官邸は混乱に陥っていた。

3.ハナフダ大統領の総攻撃指令

 北朝鮮が実弾ミサイルを日本近海に撃ち込んだ報がホワイトハウスに届くと、ハナフダ大統領はついに怒りを爆発させる。
 「いいだろう、奴らが本気で挑発するならこちらも叩き潰すまでだ! 空母打撃軍に総攻撃命令を出す!」
 大統領の補佐官が制止を試みるが聞く耳を持たず、「日本の総理は当てにならん。やるならこちらだけでやる」と息巻く。これが在日米軍にも緊急通達され、米軍の戦闘態勢が一気に高まる。世界は一瞬にして「ついに米朝開戦か」と息を呑む状態に陥る。

4.北朝鮮沿岸地域の総動員

 大統領の指令がニュースで伝わると、北朝鮮最高指導者・**金一平(キム・イピュ)**は「敵こそ攻めてくる気満々だ。今こそ共和国の総力を挙げて闘う!」と布告し、日本海側の沿岸地域に膨大な軍隊を総動員する。
 - 地対艦ミサイルを追加配備し、空母打撃軍が近づけば集中砲火を加える構え
  – 陸軍と海岸砲、特殊部隊も前線に送り込み、上陸戦への備えを強化
  – 新たな弾道ミサイルを発射台に設置し「米軍が上陸すれば即核攻撃」と脅す

 その結果、北朝鮮東岸の軍備が極端に増強され、外見的には「総決起態勢」と言えるが、実際は米軍の圧倒的火力には到底かなわない。とはいえ北朝鮮側も必死に抵抗の構えを見せ、戦争の危機がいよいよ現実味を帯びる。

5.平壌市の護衛が手薄に

 膨大な兵力を東岸へ回した副作用として、首都・平壌(ピョンヤン)の護衛体制が手薄になった。金一平はもちろん護衛隊や秘密警察などを配備しているが、従来ほどの厳重さではなくなったのだ。
 このタイミングを見逃さなかったのが、JSIA潜入チーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)である。国境部から少しずつ内陸へ進んだ彼らは、北朝鮮軍が東岸に集中しているという情報をキャッチし、「首都近郊を通るルートの警戒が若干緩んでいる」と判断。そこを突いて、拉致被害者が居住する軍内部の集合住宅に接近を試みることになった。

6.潜入先:軍内部の集合住宅

 情報によれば、拉致被害者たちの一部は「平壌市内の軍施設や関係者向け集合住宅に配属され、通訳や教育係として働かされている」らしい。日本語や文化を学ばせるため、軍幹部の教育用施設へ出入りするのだという。
 イッチたちは夜の闇を縫いながら平壌郊外へたどり着き、高架道路の下をくぐり、人気のない裏通りを慎重に進む。途中、軍の検問や警察の見回りに遭遇しそうになるが、夜間の巡回ルートやフェイントを活かして回避を続ける。
 「ここが目的の集合住宅か……?」
 ムネが遠方にあるビルを見て呟く。古めの高層アパート風建物だが、周囲にバリケードや監視カメラがあり、普通の市民が入れる場所ではなさそうだ。マッチョが双眼鏡で覗き込み、「警備兵が少ないな。やはり東岸へ多くが回ってるせいか」と確認する。

7.侵入と短い銃撃戦

 集合住宅の裏側には非常口用の階段があり、夜間は鍵がかかっているだけ。イッチがピックツールで解錠し、そっと扉を開けて中へ潜入する。廊下は薄暗く、まばらな電灯が点いているだけだ。
 しかし、運悪く通りかかった警備兵が彼らの姿を見とがめる。「何者だ!」と怒声を上げると、イッチが即座にサプレッサー付きピストルを構え、相手の足を撃つ。警備兵は呻き声を上げて倒れ、マッチョが口を塞ぎ、声を出せないようにする。
 さらに別の兵が銃声を聞きつけて廊下の奥から駆け寄ってくるが、ソーが短機関銃で牽制射撃し、相手が怯んだ隙にムネが組み伏せる。相手は若い兵士で、あっという間に返り討ちに遭い意識を失う。
 短い銃撃戦の末、イッチたちはアラームが広範囲に伝わらないよう素早く相手の通信機を奪い、アパート内に身を隠すことに成功する。

8.拉致被害者の痕跡

 廊下を進んだ先の居住区画を覗くと、どうやら部屋がいくつも並び、その一部に「日本語科」などと書かれたプレートがかかっているのを発見する。ソーが一瞬息を呑む。
 「こんなところに……『日本語科』って、やはり拉致被害者を使って教育させているのか」
 マッチョがドアを押して中を覗き込むと、そこは簡易な教室らしく、ホワイトボードと数脚の椅子が並ぶ部屋だった。書籍には日本語教材の類が散乱しており、明らかに“日本語教育”が行われている痕跡が見える。

 「ここに被害者はいるのか?」
 ムネが次のドアを開けた瞬間、驚くべき光景が広がる。6畳ほどの狭い空間に、数人の男女がうずくまるように寝そべっていた。顔立ちから日本人らしい人物も混じっている。警戒したイッチが低い声で「動くな」と構えるが、見れば彼らはガリガリに痩せており、ロープや鉄鎖で繋がれていないものの、監視下にあるのは明白だ。
 「……あなたたち、誰……?」
 一人の若い女性が怯えきった目で見上げる。マッチョが咄嗟に日本語で答える。
 「俺たちは日本人の秘密機関だ。あなたたちを救出しに来た……! 声を出すな、静かに」

9.再会の涙

 一部の被害者は拉致されて数年、あるいは10年以上経っている者もいて、日本語をほとんど喋らなくなっている人もいる。それでもマッチョやソーが日本語で話すと、彼らはハッと目を開き、少しずつ言葉を取り戻すように口を動かす。
 「本当に……日本から? そんな……」
 「自分は〇〇県出身で、昭和○年にいきなり拉致されて……」
 思い出すようにみんなが涙を浮かべ、最初は半信半疑だったが、イッチらが「帰国させるために来た。まだ安全とは言えないが準備をしてくれ」と諭すと、感極まったように無言で肩を震わせる被害者もいる。

10.さらなる追っ手の危機

 しかし、すぐに警報がなり出す。先ほどの銃声が完全にカバーしきれなかったのか、他の警備兵が異変を察知したらしい。廊下の遠方で足音や怒鳴り声が響き始める。「侵入者がいるぞ!」「非常線を張れ!」
 イッチは短く指示を出す。
 「マッチョ、ムネ、ソー、全員を確保してこの部屋を出る。人数は多いが、何とか逃げ道を確保しよう。そもそもここに何人いる?」
 見ると、8名ほどの被害者がいるが、さらに別の階にも収容者がいるかもしれない。状況を把握する時間はないが、イッチは無線機を手に取り、ノブへの連絡を試みる。
 「こっちはコンタクト成功。被害者の一部は確保。だが、敵が警戒し始めた。全員をどうやって連れ出す……」
 するとノブが応答し、急ぎの調子で「張光日(チャン・コウイ)将軍が動いているらしい。警備を意図的に混乱させるという。うまくすれば脱出できるかも」と伝えてくる。

11.張光日の影

 タイミングを合わせたかのように、建物の奥で小規模な爆発や銃声が轟く。どうやら別方面で「何者か」が警備兵を撹乱しているらしく、兵士たちがそちらへ引きつけられている気配だ。
 イッチが「これはチャンスだ。誰かが我々を助けている……?」と怪訝な顔をしつつ、マッチョらと共に被害者を連れ、非常階段へ向かう。ソーが先頭で警戒しながら階段を下ると、意外にも抵抗はほぼない。
 ムネが呟く。「もしかして、張光日将軍が“計画”を始動させたのかも……」
 だが、詳細は分からないまま、チームは予定外の状況ながら幸運にも建物を脱出する。敷地の外へ出ると、まばらな警備兵が混乱状態で右往左往しており、まともに追跡が仕掛けられない。まさに内部工作が行われている証拠だ。

12.アメリカ空母、いよいよ動く

 潜入チームが被害者を連れて逃走を図るのと前後して、アメリカの空母打撃群が北朝鮮東岸付近での作戦準備を完了し、発艦を開始したという報せが世界を駆け巡る。数十機の戦闘機が一斉に飛び立ち、北朝鮮のミサイル基地や防空陣地を攻撃する作戦が発動するのではと推測されている。
 ハナフダ大統領は「日本政府は弱腰だ。アメリカ単独でもやる」と語り、国防総省のブリーフィングでは「北のミサイル発射基地を無力化し、核開発を阻止する」と明言している。北朝鮮側も「いよいよ米帝が攻めてくるなら先制核攻撃を検討する」と叫び、互いに引くことのない状況が続く。

13.日本国内の騒ぎ

 日本では、総理が「アメリカ軍と情報共有しているが、自衛隊はあくまで防衛体制に専念する」と言うだけで、国民の不安はピークに達している。ミサイル落下を想定した避難訓練が各自治体で始まり、スーパーやコンビニでは非常食が売り切れるなど、危機感が高まる。
 拉致家族会は「このタイミングで戦争になれば、被害者はどうなるんだ!」と国会前で叫び、与党幹部や官邸を激しく非難する。だが、政府は有効な手段を示せず、混乱する一方だ。

14.JSIAの一手 ――「拉致被害者確保」

 そんななか、JSIAがようやく一つの成果を上げる。潜入チームが軍内部の集合住宅から複数の日本人拉致被害者を救出し、敷地外へ連れ出すことに成功したという秘密報告が、ボスから一部政府筋へ上がったのだ。
 ただ、まだ完全には安全圏へ脱出できていない。数名の被害者を伴う形で北朝鮮を脱出するには、更なる苦難が待っていることは明白である。
 ボスは首相官邸の高官に対し、「いま救出チームが動いている。アメリカが本格的に攻撃を開始すれば、彼らの脱出が困難になる。何とか少し時間を稼いでほしい」と訴えるが、弱腰の総理にどこまで働きかけられるかは疑問だった。

15.張光日の最終狙い

 一方、張光日は金一平に「米空母が動いた以上、先制ミサイルを撃つしかない」と進言しつつ、自分の側近には「金一平が先制攻撃を下令したら、我々は彼を裏切ってクーデターを決行する」と密命を下していた。
 軍内でも不満を抱えていた中堅将校が少なくなく、張光日は彼らと水面下で協力関係を築いている。米軍の攻撃が始まれば混乱を誘発し、その最中に金一平を排除して政権を奪うシナリオだ。
 「我々が新政権を握れば、国際社会からの支持を得るためにも日本人拉致被害者を解放し、核開発を一時凍結するなどして交渉を有利に進められる。長年の恐怖政治に終止符を打つときだ」と、張光日は自身に言い聞かせ、革命を信じる表情を浮かべる。

16.JSIAチームの次なる一手

 イッチ、マッチョ、ムネ、ソーは集合住宅を出て少し離れた廃墟の倉庫で一時休憩をとっていた。連れ出した被害者たちは疲労困憊で、なかには体調を崩している者もいる。
 「このまま大量の民間人を抱えて山を越え、国境へ戻るのは不可能に近い。別のルート、あるいは援護が必要だな……」
 イッチがそう苦渋の顔で言う。マッチョは「飛行機やヘリでの脱出は難しいだろうし、どうする?」と頭を抱える。
 そこにソーがノブからの短い通信メッセージを受け取る。
 「張光日という将軍が協力の意を示している、と。彼が混乱を引き起こすから、その間に脱出しろってことか……?」
 ムネは険しい顔で「まさか、軍内部のクーデター? 危険すぎる」と呟くが、イッチはそれも一つのチャンスだと捉える。「もしクーデターで警備が崩れれば、脱出の敷居は下がる。利用できるものは利用しよう」と言うが、その先にはさらなるリスクが待ち受けているのは確実だ。

17.終末感漂う戦場の予感

 こうして第7章は、日米と北朝鮮の対立が最高潮に達し、ハナフダ大統領が総攻撃を指令する一方、北朝鮮の金一平も“先制核”を示唆して応酬する最悪の局面へ突き進む。
 - ミサイル発射が日本近海を脅かし、イージス艦が迎撃したものの、日本政府は弱腰対応で国民の不満が爆発
  – ハナフダ大統領が「日本は役に立たない」として空母打撃群で総攻撃を準備
  – JSIA潜入チームは北朝鮮の沿岸部が手薄になった隙をついて平壌市の軍施設に潜入し、複数の拉致被害者を保護することに成功
  – しかし大量の兵力移動と警戒強化が始まり、脱出が困難化するなか、張光日という将軍が二重の策謀を巡らせている……

 物語はいよいよ最終章に向かい、**「日朝戦争」**の火ぶたがいつ切って落とされてもおかしくない切迫した情勢へ。JSIAチームが被害者を連れてどのように脱出するのか、張光日のクーデターと金一平の行く末、さらにハナフダ大統領の攻撃指令がどこまで本気なのか――次章以降で大きく展開していくことになる。


これにて第7章は完了です。次章(第8章)では、さらに激化する米朝情勢のなかで、JSIAと北朝鮮内部のクーデター勢力、そして拉致被害者救出作戦の結末が描かれる予定です。引き続きお楽しみいただけますと幸いです。

あなた:

第8章 張光日は拉致された日本人が逃げたことを龍城官邸にいる金一平に報告し、手薄になった警備で追いかける人手がないと申し出る。龍城官邸の警護軍を逃げている日本人の追跡隊に貸してほしいと訴え龍城官邸の警備を手薄にすることに成功。JSIAのメンバーは移動したが軍にみつかって窮地に陥ったと思ったが、それは張光日であった。JSIAメンバーは張光日と一緒にクーデターに参加する。拉致された日本人は張光日部下の手引きで中国国境まで移動でき無事渡河して丹東市の日本総領事館に駆け込むことに成功。

ChatGPT

Thought about JSIA’s rescue mission and coupを5 秒行う

Formulating Chapter 8

Chapter 8 of “日朝戦争開戦” will feature Gen. 張光日 leveraging news of escaping Japanese to leave the Dragon Castle under-guarded. He then directs palace guards to pursue them into North Korean territory, where the JSIA members are identified as Zhang’s forces. They join Zhang’s coup, aiding the Japanese escape to the border and safely to the Japanese consulate in Dandong.

以下に、第8章を執筆いたします。前章では、北朝鮮と米国(ハナフダ大統領)がいよいよ一触即発となる情勢の中、JSIA(日本秘密捜査局)の潜入チーム(イッチ・マッチョ・ムネ・ソー)が平壌近郊の軍施設へ潜入し、一部の拉致被害者を救出して脱出を図りました。また、北朝鮮人民軍の将軍・**張光日(チャン・コウイ)**が金一平(キム・イピュ)に従う振りをしながらクーデターを目論んでいる様子が描かれていました。

この第8章では、張光日が狡猾な策を巡らせ、龍城官邸(リョンソンかんてい)を手薄にする策略を成功させるとともに、JSIAメンバーと本格的に手を組む展開を取り込みます。そして、拉致された日本人たちの安否も大きく動くことになります。どうぞご覧ください。


第8章 交錯する謀略とクーデターの夜

1.張光日の報告──龍城官邸へ

 平壌市内、金一平(キム・イピュ)の居住兼執務施設である**龍城官邸(リョンソンかんてい)**は、夜通し厳重な警備体制が敷かれている。しかし、ここ数日アメリカが空母打撃群を展開し、北朝鮮沿岸部へ軍を集中せざるを得ないため、警備兵力を十分確保できず苛立ちが募っていた。そんな龍城官邸に、北朝鮮人民軍将軍・**張光日(チャン・コウイ)**が急ぎ訪れ、金一平へ報告を行う。

 「将軍、こんな夜更けに何事だ?」
 官邸の衛兵が怪訝な表情を浮かべるが、張光日は冷静を装い、「最高指導者様に緊急要件がある」と言って強引に通される。その場で金一平と対面し、深々と頭を下げた。

 張光日:「チュチェの光たる最高指導者様……申し上げます。わが軍が管理していた施設から、日本人が逃亡した模様です。どうやら外部からの工作員が潜入し、連れ去ったと考えられます。兵力が東側へ回されているため、追跡がままなりません。どうか官邸の護衛軍を、捜索隊として貸し出していただけませんでしょうか!」

 金一平:「なんだと……。外国の工作員が平壌へ侵入したというのか? 何たる不覚。日本人など大した価値はないが、奴らが裏で米国と通じているのなら放置できん! ……いいだろう。官邸の精鋭を追跡隊に回してやるから、必ず捕らえろ!」

 金一平は苛立ちながらも「アメリカとの戦争一歩手前の状況で、このような混乱は許されない」と判断し、張光日の要望をあっさり受け入れる。張光日は心の中で薄く笑みを浮かべる。
 (これで龍城官邸は警備が手薄になる……金一平、お前の終わりが近いぞ)

2.龍城官邸の護衛が手薄に

 こうして官邸護衛隊の多くが「日本人追跡」を名目にかき集められ、隊を編成して市外へ出て行く。その人数は数十名に上る。もともと数百名規模が常駐していた警備は半分以下に減り、さらに残った護衛兵の多くも沿岸部や空軍基地へ回されている状況だ。
 金一平本人は、自らが最も信頼する近衛隊だけは残しているが、それでも平時より遥かに手薄なのは明らかだ。張光日は「総指導者様、ご安心を。必ず日本人と工作員を捕らえ出します」と敬礼し、官邸を後にする。

3.潜入チームと張光日の接触

 一方、平壌郊外の廃倉庫に潜伏していたJSIAチーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)は、拉致被害者の一部を連れて必死に逃走していたが、軍の捜索網が迫っていると感じていた。しかし、彼らを発見して声をかけてきたのは、意外にも北朝鮮軍の制服を着た数名で、その先頭に立っていたのが、張光日その人であった。

 「……しまった、敵か!」
 マッチョが短機関銃を構えたが、張光日は両手を挙げて「待て、撃つな! 私はお前たちに協力する者だ」と声を上げる。そして部下数名が日本語で「危害を加えるつもりはない」と口を揃える。
 イッチが警戒しながら応じると、張光日は低い声で言う。
 「私は北朝鮮軍の将軍・張光日。金一平を倒そうとしている。お前たちが拉致被害者を連れ出した事実は承知しているが、追っ手をかける必要があると偽ってここに来たのだ。すぐに安全なルートへ案内する。私の部下が中国国境まで護衛する。……どうだ?」

 ソーやムネは驚きつつも、「ノブが言っていた内部工作員=張光日、やはり真実だったか」と気づく。マッチョは「信じていいのか」と警戒を解かないが、イッチは「他に道がない」と判断し、最終的に手を結ぶことを決める。
 かくしてJSIAメンバーと張光日は手を握り合い、北朝鮮内部でのクーデター計画へ一緒に参加するという形が固まる。張光日は「拉致被害者は私が責任をもって国外へ逃がす。お前たちは私のクーデターに力を貸してくれ」と交換条件を示したのだ。

4.拉致された日本人の脱出

 張光日は早速、部下の少数精鋭を動かし、拉致被害者たちを分散して国境沿いへ輸送する作戦を指示。彼らが装甲車やトラックを使って、検問を「追跡隊」のフリで通過し、道中の兵士にも「日本人を追っている」と説明してスムーズに移動するという荒技を成功させる。
 JSIAチームは身の安全上、別ルートを用い、張光日とともに平壌内部でのクーデター準備に携わることになる。一方、多数の日本人被害者は、張光日の部下の手引きで中国国境へ向かい、夜間を中心に移動を続ける。
 数日後、彼らは国境の川(鴨緑江)を渡り、丹東市へと到着。現地の日本総領事館を深夜に訪ね、怯えながらも「私たちは日本から拉致された者です!」と叫び、涙ながらに助けを求めた。

5.丹東市の日本総領事館に保護

 総領事館の職員は最初こそ驚いたが、すぐに在中国の日本大使館に連絡し、得られた指示に従って保護手続きをとる。拉致被害者は数名が言葉を失い、体調を崩しているが、ともかく生きて日本の外交施設に逃げ込めた。日本政府は緊急にチャーター機や運搬手段を手配し、被害者を北京経由で帰国させる段取りを始めた。
 このニュースは中国当局も驚かせ、国際社会には一切公表されないまま極秘に進行しているが、いずれリークされれば「北朝鮮の拉致」が改めて大問題となり、世界に衝撃を与えることだろう。

6.JSIAと張光日のクーデター協力

 一方、**JSIAチーム(イッチ、マッチョ、ムネ、ソー)**は拉致被害者を無事逃がすことに成功し、「次は自分たちの帰還」かと思いきや、張光日から「クーデターに加勢してほしい」と要請を受けていた。すでに潜入チームの存在を知る北朝鮮軍が警戒しており、国境へ戻るだけでも至難の業である。
 「我々が金一平を倒せば、周辺の兵は混乱する。その隙にあなた方は脱出できるはずだ。ぜひ我々に力を貸してくれ。金一平を排除すれば、日本が求める拉致問題は一気に解決へ向かうだろう……」
 張光日の言葉に、イッチは苦悩する。「私たちはあくまで拉致被害者を救うために来たが、君のクーデターが成功すれば確かに核脅威や独裁は崩れるかもしれない。しかし、内戦で多くの犠牲が出るのでは?」と疑問を投げかける。
 張光日は「このまま金一平とアメリカが衝突すれば、国は滅びる。私が先に動いて彼を引きずり下ろす方が被害は少ない。戦火を避けるためのやむを得ない手段だ」と主張し、イッチやマッチョ、ムネ、ソーは最終的に協力を決断する。
 「仕方ない。ここまで来た以上、死ぬ覚悟でやるか……」
 マッチョが吐き捨てるようにつぶやくと、ムネとソーも腹を括る。

7.龍城官邸の衝撃

 金一平は、張光日の報告どおり軍を分散して日本人追撃を指示したため、自らが拠点とする龍城官邸は兵力が大幅に減っている。張光日はさらに「沿岸部が緊急事態だ」と偽の報告を流し、官邸から追加の兵を送るよう働きかける。結果、官邸の守衛はわずかな近衛兵だけになる。
 そこへ、JSIAチームと張光日の親衛隊が夜陰に紛れて接近する。
 「よし、金一平はあの宮殿の奥にいるはず。彼の最も信頼する近衛隊が若干いるが、人数は少ない。奇襲すれば制圧可能だ」
 張光日は小声でイッチに説明する。イッチやマッチョ、ムネ、ソーはサプレッサー付き武器を再確認し、互いに目を交わす。
 「行くぞ……。今なら成功するかもしれない」

8.ハナフダ大統領の即時攻撃命令

 同時に、アメリカ空母打撃群ではハナフダ大統領の再指令で**“限定的先制攻撃”**が発動されようとしていた。北朝鮮の東岸ミサイル基地や防空レーダーを一斉に破壊し、核弾頭を持つミサイルを無力化する狙いだ。時間帯は深夜、奇襲を狙っている。
 このタイミングと張光日たちのクーデター計画が、偶然あるいは必然的に重なり合うことで、北朝鮮内部は大混乱に陥る。金一平がクーデターに気づいて対処する前に、JSIAらがどう動くかが勝負になる。

9.まとめと次章への布石

 こうして第8章は、北朝鮮の権力闘争と国際的軍事危機がいよいよ一体化する局面が描かれる。

  • 張光日が「日本人が逃げた」と金一平に報告し、龍城官邸の護衛を手薄にすることに成功。
  • JSIAメンバーが北朝鮮軍に発見されたかと思いきや、それは張光日の部隊であり、クーデター参加を打診される。
  • 拉致された日本人たちは張光日の部下の手引きで脱出し、中国国境を渡り、丹東市の日本総領事館に駆け込んで無事保護される。
  • 一方、アメリカ軍はついに北朝鮮への総攻撃を準備しており、金一平が動揺する中、JSIAと張光日は龍城官邸への突入を決行しようとする。

物語は次章で、クーデターの成否やアメリカ軍の攻撃開始、そして金一平の運命が大きく揺れ動く展開になる。**「日朝戦争開戦」**という最悪の形で幕が開いてしまうのか、それともクーデターが先んじて金一平を排除し、戦争を回避できるのか――いよいよ物語は最終決戦へ突き進む。

以上で第8章は終了です。次章(第9章)では、クーデターと米軍の攻撃が同時進行し、混乱の極みにある北朝鮮におけるJSIAの動きが大きく描かれる予定です。引き続きお楽しみに。

第6章 揺れる独裁と交錯する密約

第8章 交錯する謀略とクーデターの夜

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